「今年1月20日、文氏は釜山の日本総領事館前の少女像前で、“日本の法的責任認定と公式謝罪が足りない”“設置済みの少女像の撤去は現実的に不可能”、“少女像は生きた歴史教科書であり、(日本からの)真の独立宣言だ!”などと語っています」(前同)

 朴政権時代に決められた日韓合意を、反故にする覚悟のようなのだ。「仕えていた盧元大統領の義父が、日本統治時代に捕えられ、獄死したのも影響しているようですね。“韓国が貧しかったのは日本のせい”“北との分断悲劇も日本による統治政策にあった”との考えに、文氏も凝り固まっています」(同)

 敵の敵は味方、というわけではないが、文大統領になったら、韓国が北朝鮮に融和的な政策に変わるのは間違いないと、前出の辺氏は語る。「現在、ストップしている開城工場団地も金剛山観光も、再開するでしょう。さらに、日韓米の、これまでの北に対する協力態勢に亀裂が入ることも十分に考えられます」

 加えて、文氏は朴政権が決めた在韓米軍への、中国を見据えた「THAAD(高高度防衛ミサイル)」配備も疑問視する発言もしており、そうなると米韓同盟にも亀裂が入ることもありえるというのだ。

 ただでさえ厄介な半島情勢に、さらに揉め事が増えるとなれば、日本はどうすべきなのか。元時事通信社ワシントン支局長で、国際評論家の小関哲哉氏がこう解説する。

「現在の韓国の状況に対して、経済的支援ができるのは日本くらいです。中国は北朝鮮を持て余してヒマがない。ロシアは韓国との関わりが薄く、米国は軍事面でのコミットメント以上をする気がない。日本だけが政治的に安定し、かつ経済的にも窮していないのです。でも、日本側から働きかける必要はないでしょうね」

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