「歯磨きのポイントは、“なるべくブラシを歯と歯の間に当て、細かく汚れをかき出すこと”に尽きます。ある程度時間をかけて丁寧に磨く必要があるので、口の中が泡だらけになって早く吐き出したくなるような歯磨き粉ではなく、なるべく泡が立たないものを選ぶこと。また、口をゆすいでペッと吐き出すような液体リンスの類は歯間の汚れまでは取れないうえ、アルコールが含まれていて口中の水分を揮発させ、逆に口が乾いて、雑菌が繁殖する恐れがあるので、使わないほうがいいでしょう」(歯科医師)

 3つめの病気由来の口臭については後述するが、この3つ以外に、“膿栓”と呼ばれる、扁桃腺にできる膿の塊が口臭の原因になっていることもあるという。「扁桃腺のくぼみに溜まる、白くブヨブヨとした膿のようなカスで、くしゃみや咳の弾みでポ~ンと飛び出す人もいます。これが、とにかく地獄のような悪臭を放つんですよ。無理に取ろうとして扁桃腺を傷つけてはいけないので、気になる人は医師に相談するといいでしょう。喉の奥までしっかりうがいすることで取れることもありますので、試してみる価値はあるでしょう」(前出の医療ジャーナリスト)

 次は、ワキ。体質的にニオイが強くなりがちな人もいるうえに、本人は慣れてしまって気づかないという、困ったやつだ。「腋には、2種類の汗腺(汗の出口)があります。1つは全身にあるのと同じ“エクリン腺”で、ここから出る汗はほとんどが水分。対して、腋の下に集中する“アポクリン腺”から出る汗は、タンパク質や脂質、糖質などが含まれる粘り気の強い汗です。これが皮膚表面に存在する細菌のエサとなって菌が増殖し、これに皮脂が混ざり合ったりすると、悪臭を放ち始めます。ワキガなどの方は、これが活発すぎるわけです」(美容クリニック医師)

 対策として一般的なのは制汗スプレーなどだが、「制汗スプレーは、エクリン腺から出るほうの汗に雑菌がつくことを抑える程度で、アポクリン腺からの強いニオイには、あまり効果はありません。むしろ重要なのは、蒸れによって細菌の活動が活発化するのを防ぐため、通気性のいい清潔な服を着て、汗をかいたらマメに拭き、雑菌を極力繁殖させないようにすることです」(前同)

 納豆にもたとえられる強烈な足のニオイも同様で、常に清潔に保つことが、最大の予防になるという。

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