●大学中退、38歳で転職4回の男「転職先を選ぶときはこうしろ」

 次に紹介するのは、ITテクニカルサポートエンジニアとして働く堤下洋介さん(38・仮名)。堤下さん「勉強をする意味がない」と感じて大学を中退し、3年ほど派遣で働いた。その後、「そろそろ就職をしなければ」と、24歳の頃にTVショッピングの会社に就職。4度にもわたる転職の結果、じわじわと年収を上げていったタイプだ。

「もともとパソコンが好きでした。当時としては珍しく、小学生の頃から家にパソコンがあって触っていたので、知識はあったんです。派遣で働いていた頃は、ルーターの専門教育を企業に行う会社でした。そこで専門知識を身につけていたため、外資系のTVショッピングのIT部門に、正社員として内定が出たのだと思います。当時はちょうどネットショッピングが出始めた頃で、“君、パソコンできるなら、ここの部署で働いて”という、軽いノリだったとは思います。この会社では年収400万円だったんですが、夜勤などもあって自分のリズムに合わないと感じ、2年間働いて辞めました」

 続いて転職したのが、外資系のルーターの会社だ。「派遣で働いていた頃の会社の本社で、当時の上司が繋いでくれたんですよ。エンジニア派遣会社から出向する形での勤務で、年収は600万円に上がったんです。外資系のIT会社は本社がインドにあることが多く、このときの会社も上司がインド人。そのため、必然的に、ビジネス英語を身につけることになりました」

 ところが、「同じ会社に5年もいたら飽きた」と、またも転職。そして、最初に就職したTVショッピングの会社に出戻った。外資系の会社だと、出戻りは珍しくないことだという。しかし、昔とは状況が変わり、会社が急激に成長していた。

「会社が大きくなったこと自体は素晴らしいことなんですが、その成長を鼻にかけた上司の元で働くことに苦痛を感じちゃって……。2年ほどで退職して、外資系のテクニカルセールスの会社へ転職しました。これで3回目の転職ですね。そこでは、新規行事の立ち上げや大きな規模のイベント開催など、とにかく無茶な仕事を突然、振られることも多かったので大変でした。でも、ボーナスが出たのはうれしかったです」

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