元来“岸破聖美”――岸田文雄外務大臣、石破茂前幹事長、野田聖子元総務会長、そして稲田朋美防衛大臣の4人と目されてきた「ポスト安倍」の座だが、正直、全員なんとなくパッとしないのが現状だ。「特に“史上初の女性首相候補”と言われた稲田氏が、森友学園問題で大炎上。野田氏も冷や飯生活が続き、この2人よりは、人気・実力ともに小池知事のほうがはるかにその立場に近いんです」(全国紙政治部記者)

 相変わらず高い支持率を誇る小池知事だが、ご本人はどうやら首相の座への意欲もなくはないご様子。「去年の暮れ、小池知事に取材した際、ズバリ、“総理を目指しているのか”と質問したんです。そしたら即座に“今、私は都知事なんですよ。そんな質問はナンセンス”と否定しました。ただし、そのあとにわざわざ“それは国民が決めることだから”と付け加えたんです。意味深な発言だと思いましたね」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)

 つまり、国民さえ求めるなら、女性初の総理になる気はあるという意味だ。「“同窓会”の席で、小泉氏が“女性総理、けっこうじゃないか”とハッパをかけたとも言われています。“政界のバクチ打ち”のDNAを継ぐ小池氏に、小泉氏も期待しているようですね」(前出の政治部記者)

 一方、本来の意味で“小泉の名を継ぐ”存在である進次郎氏も負けてはいない。農政改革のため地道に汗をかきつつ、父譲りのキレのある弁舌で、選挙ともなれば応援演説に引っ張りだことなる人気者。「順当にいけば、確実に総理になる器」(前出の鈴木氏)なのだ。

 この2人なら、先述の“岸破聖美”より確実に国民の支持を得られる。政権を担うにはまず国民の支持が必要という意味では、まずは2人とも「当確」だ。では、もっとも大切な実務能力の面ではどうか。

「小池氏は外務大臣や防衛大臣の経験もあって外交・安全保障に通じ、経済・環境問題から女性の社会進出まで、幅広く対応できます。進次郎氏も、復興政務官時代に各官庁とのパイプを作っています。復興というのは国土交通省・総務省・財務省などなど。あらゆる省庁にまたがる問題だからです」(前同)

 いずれも、守備範囲の広さはかなりのもの。ただし、魑魅魍魎渦巻く永田町の荒波を泳ぎ渡ってきた小池知事に対し、まだ当選3回で、おもに官僚を相手にしてきた進次郎氏の“寝技力”はいまだ未知数だ。

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