――ライブ本番の感想は?
堀 ライブでは、観客の皆さんが楽しんでくれている感じがひしひしと伝わってきて、胸に込み上げてくるものがあり、本当にやって良かったって思いました。
――アイドル時代と違うところがありましたか?
堀 当時はキーが高くてかわいい声が出ていたと思うんですけど、なかなか出ませんね。でも、今のほうが、低い分、声量があり、味があるかもしれません(笑)。
――アイドル全盛の時代、皆さんかわいらしい歌を歌われていましたからね。
堀 先輩の松田聖子さんや河合奈保子さん、石野真子さんがすごいフリフリの衣装を着ていて、キラキラした特別な存在だったんです。自分もあんな世界に入れたらどんな気持ちなんだろうかって、憧れの気持ちを抱いてデビューしましたね。
――その頃の一番の思い出といったら何ですか。
堀 やっぱり、ドラマ『スチュワーデス物語』かな。あのドラマの主演があったから、今の自分がいるし、幅広い層の皆さんに応援してもらえたと思うんです。
――“ドジでのろまなカメ”が流行語にもなった80年代の伝説のドラマですね。
堀 裕福な家庭には生まれなかったけど、スチュワーデスを目指して努力し続ける女の子の物語、というコンセプトのドラマだと聞いていたので、最後は制服をバシッと着て国際線のスチュワーデスとして羽ばたく……みたいな、かっこいいのを想像していたんです。ところが、台本に目を通したら「え、何コレ、すっごく泥臭いじゃん」って(笑)。
――イメージしていたのと違うみたいな(笑)。
掘 撮影に入って最初に監督に言われたことが、“そんな高い声じゃダメだ。それじゃ人の心を動かせない”って。“何をやるにもすんなりできちゃダメ。もっとオドオドした感じで”とも指導を受けました。それでいて、撮影が10話ぐらいまで進んでオドオドした演技に慣れてくると、今度は“なんかこなれてきたな。まだ垢抜けちゃダメ”って(笑)。
――ハハハ。すごく細かいんですね~。
堀 そうなんです。衣裳も温かそうなものだと一生懸命さが伝わらないからといって、半袖を着せられたり、霧吹きで水を掛けて汗を作ったり。真冬の撮影だったんで、外は雪だったんですけどね。