――そんな過酷な撮影だったってことは、やっぱり現場の雰囲気もピリピリしていたんですか。
堀 そんなことなかったですよ。みんな和気あいあいとしていました。でも、当時の私は、とにかく忙しくて、撮影の合間はほとんど寝ていましたね。そんな私を、村沢教官役の風間杜夫さんは「かわいそうだから、本番直前まで寝かせてあげよう」って言ってくれていたみたいです。
――あの鬼教官も、実は優しい人だったんですね(笑)。
堀 私も、まだ16歳、高2でしたからね。
――そんなに忙しくて、学校の勉強は大丈夫でした?
堀 実はこのドラマの撮影の1年間は、ほとんど学校に行けなかったんです。でも通っていた高校がすごく厳しくて、一応3年間で卒業はしたんですけど、“このまま本当に卒業をさせるわけにはいかない”と、卒業式の翌日に卒業証書を返すことになったんです。
――えっ!? 実は卒業していないんですか。
堀 いえ。それから1年間マンツーマンで授業をしてくれたんです。それで改めて卒業証書を渡されました。本当にありがたい話です。
――アイドルって大変ですね~。今のアイドルでも話題になりますけど、当時もやっぱり、恋愛はご法度だったんですよね。
堀 たぶん、今より厳しかったんじゃないかな。私、寮に入っていたんですけど、男子禁制はもちろん、マネージャーも玄関までしか入れなかったんです。しかも、玄関ドアの手が届かない位置に大きなベルが3つあって、開けると大きな音が鳴るようになっていたんです。
――まるで忍者屋敷!
堀 そうですよね。外に出たら出たで、男の子とコンタクトを取れないように、マネージャーがトイレまでついて来ましたからね。公衆電話を使うときも、横で話を聴かれていました。
――それはすごい……。
堀 バラエティ番組で、当時はアイドルのそばに行くとマネージャーに追い払われた……なんて話がよく出てきますけど、アレ、あながち冗談ではないんですよ。