「その席で首相は当時、成立を目指していたIR推進法案(カジノ法案)についての意見や、草案の作成までも橋下氏に頼み込んだといわれています。当時、橋下氏はまだ維新の政策顧問でしたが、多忙な首相がわざわざ、一民間人のために自分から時間を割くのは異例中の異例。入れ込みようが分かりますね」(前出の永田町事情通)

 その“意中の人”橋下氏を、いよいよ大手を振って閣内に迎えられるわけだ。当然、そのためには内閣改造が必須になるのだが、現在は国会の会期中。このタイミングで内閣改造に踏み切ることも可能ではあるものの、一連の批判をかわすための露骨な煙幕であるとの批判も浴びかねない。

「安倍首相がしなければならないことは、野党が追及できなくなるように国会を早く閉会させ、次いで、都議選で勝利すること。それから、次の内閣改造でイメージを刷新するという順番になるでしょう」(前出の有馬氏)

 そして、その内閣改造は「橋下氏が入閣する一方、交替する大臣も過去最多の、過去に例を見ない大幅改造になる」(前出の事情通)と言われている。「森友学園問題でミソがついた稲田朋美防衛大臣や、共謀罪の審議で、しゃべればしゃべるほどボロが出てくる金田勝年法務大臣などの“問題閣僚”を切るのはもちろん、意外な大物たちも交替の俎上に載っているんです」(前同)

 その名前を、角谷氏が挙げる。「まず菅義偉官房長官、“ポスト安倍”の一人である岸田文雄外務相、そして、安倍首相の返り咲き以来、政権の中枢を担ってきた麻生太郎副総理兼財務相の3人が閣外へ出るといわれています」 安倍首相の名女房役として名高い菅氏の名前が出るのは、意外だが……。

 実は、これは官房長官としては最長の在任日数を数える菅氏自身の意向であるともいう。「官房長官の仕事に疲れ、自民党幹事長のポストを欲しがっている」(前同)というから“栄転”の可能性もあるわけだが、麻生、岸田両氏の場合は、やや事情が違うようだ。

 岸田氏については、年内に憲法改正原案をまとめるためのパージだという。「安倍首相は、憲法9条に自衛隊の存在を明記する旨の発言をしています。岸田氏は9条改正そのものに反対ですから、閣内不一致を避けるには、岸田氏を外す必要があるんです」(前出の政治部記者)

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