「安倍総理は二階さんの影響力を無視できず、幹事長のポストを与え、うまく飼い慣らしている状況です。最近では二階さんも安倍首相の信頼を得て、韓国の文在寅大統領に首相の親書を手渡すなど、存在感を示しています。菅さん同様、二階さんには首相になる気はありませんが、キングメーカーとして影響力を残そうとしている」(同)

 前述した通り、次の内閣改造・党人事では、菅官房長官の幹事長就任が有力視されているが、そうなると、幹事長の二階氏が党の副総裁へ繰り上がる“玉突き人事”が検討されているという。「その二階さんに急接近しているのが、安倍首相の家庭教師を務めたこともある平沢勝栄さん。次の内閣改造で悲願の初入閣を果たしたい彼は、党内の空気をうまく嗅ぎ分けているんです」(同)

 ここまでの面々は、麻生財務相が総理のリリーフ登板を狙い、岸田外相はトップ獲りに向けて動き出しそうな気配。菅官房長官と二階幹事長にはその気なしなので、これは逆に言えば、露骨に“反安倍”の狼煙を上げているわけではないということ。しかし、ここから先の面々は別。明確に反目に回るという。

 2012年の自民党総裁選に出馬した石原伸晃経済財政担当相も、次の総裁へ再度意欲を燃やす一人だ。「ただし、そうなっても泡沫候補扱いでしょうね。先だって二階派に入った平沢さんは、もともと石原派だった。しかし、大臣ポストを狙い、落ち目の石原派を見限って二階派入りしたわけですから」(同)

 石原氏の求心力低下は目を覆うばかりなのだが、当人はヤル気なのだという。では、堂々やりあって安倍首相の首を狙える猛者はいるのだろうか。「野田聖子元郵政相と、石破茂元地方創生相でしょうね。野田さんは派閥には所属していませんが、岸田派の古賀誠名誉会長らの支援を受け、来年9月の総裁選へ向けて調整を続けています。15年の総裁選では、安倍首相の対抗馬として立候補が取り沙汰されましたが、推薦人の切り崩しにあい、断念しています。万が一、岸田外相が安倍首相の圧力に屈して出馬を見送った場合、岸田派の一部は野田さん擁立に動くはずです」(別の自民党関係者)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5