さらに、森林浴効果でストレス解消、それに比較的高地なので紫外線の強さ、酸素の薄さ、気圧の低さがいい影響を与えているとの見方もあるという。前出の牧氏が補足する。

「紫外線を多く浴びると、皮膚がんのリスクが高まるといわれていますが、一方では、逆にビタミンDが合成され、がんこつそしょうや骨粗鬆症を予防するメリットのほうが大きいとの見方もあります。また、スポーツ選手の高地トレーニングのように、細胞内のミトコンドリアの活性化を促し、結果、体が元気になるとの報告もあります」

 これらの自然豊かな地域に比べ、人口が密集する都市部ではどうなのか。医療機関が充実する大都会では、東京が35位、名古屋のある愛知が39位と、いずれも悪い順位ではないが、2015年の大阪は、なんと死亡率ワースト8位という驚きの結果に。1990年は2位だったので、これでもマシになったほうなのだ。

 関連していると思われるのが、意外な所得格差。総務省の最新データ(今年5月。1人当たり所得)によれば、東京は451万円で1位。第2位が愛知の353万円。これに対して大阪は、東京、神奈川に次ぐ日本3位の人口を誇る大都会にもかかわらず、301万円で12位。「残念ながら、医療設備がしっかりしていても、病院にかかれない貧困層もいるのでしょう」(牧氏)

 大阪府民の経済格差は他県以上に大きく、それが所得順位を下げ、死亡率を上げている可能性があると見るのだ。かように、日本の現状が透けて見えたこの調査結果、あなたの住む都道府県は何番目だったろうか。これを機会に、自分の健康に今一度、真剣に向き合ってもらいたいものだ。

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