――元大関・琴風が率いる尾車部屋の雰囲気も合っているんでしょうね。

嘉風 尾車部屋に入門したから、今日の自分があるのだと思っています。稽古がとても厳しい部屋もありますが、ウチの部屋の場合、自分のやり方を師匠が認めてくれているというか、任せてくれているというのが、大きいと思います。僕は力士としては小柄なほうですし、若い頃と同じような稽古をすることは正直、きつい。土俵上での稽古が少ない分、トレーニングでカバーする調整法を許していただいている師匠には、本当に感謝しています。

――また、嘉風関は次世代の角界を担う若い力の発掘にも力を入れていますね。

嘉風 毎年、地元の大分で「嘉風相撲大会」という少年相撲大会を開いているんですが、当初、この大会の目的は「競技力の向上」と「底辺の拡大」でした。でも、選手たちのレベルが高くなってきたので、底辺の拡大は、「嘉風チャレンジ」という相撲教室で補うことにして、先月(6月11日)も、地元で相撲の指導をしてきたところなんです。70人くらいの少年たちが集まって盛況でしたよ。そうした活動も含めて、僕にとって相撲は“天職”だと思っています。だけど、ウチの息子(凌聖くん)にはやらせたくないなあ。今、3歳なんですが、「パパの相撲見たい」というほど、相撲好きなんです。でも、相撲は痛みを伴うスポーツですからね。「やりたい」と言われれば、反対はしませんが、できれば言ってほしくない(笑)。

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