■巨人・高橋由伸監督は勝負の年

 横浜同様、優勝争いに食い込んでくることが確実なのが、今年、契約最終年を迎える高橋由伸監督率いる巨人。「昨年の敗因を分析すると、1点差で敗れた試合が27試合もありました。逆に1点差で勝った試合は13試合しかないんですが、それでいて完封で勝った試合数は18。要するに、投手は優秀なのに、貧打が原因で4位に沈んでしまったということです」(専門誌記者)

 その反省の上に立って獲得したのが、昨年の本塁打王・ゲレーロだ。陽岱鋼、坂本、マギー、ゲレーロ、阿部慎之助がズラリと並ぶ打線は、他チームにとっては脅威だろう。「外国人枠の関係で、昨年のセーブ王カミネロか新加入のヤングマンのどちらかが出られなくなるのは痛いですが、うまくやりくりすれば、昨年以上に勝ち星を稼げるでしょう」(前同) 由伸監督にとって勝負の年。これで役者はそろった。

■阪神タイガースも実力が拮抗

 さて、横浜、広島、巨人の3チームがAクラスとなれば阪神はBクラスということになるが、江本氏が「今年のセは4強2弱」というように、阪神を含む上位4球団は、どういう順番になってもおかしくないほど実力が拮抗している。

 阪神は金本監督のもとで若手中心のチームへと変革真っ最中であり、これがうまくいくようなら、Aクラスに十分入れる力を持っているのだ。「パの楽天もそうですが、阪神も優勝する力を持っています。星野仙一さんの弔い合戦という意味で、両チームは今年、頑張らなければいけない」(江本氏)

 実際、福留、糸井、鳥谷のベテラン勢にロサリオ、大山、中谷が絡む打線には、“攻撃野球”を標榜する金本監督らしさが表れている。メッセンジャーに頼りきっていた投手陣さえ、なんとかなれば、広島や横浜、巨人を蹴散らすこともできるはずだ。

 だが、そのために不可欠なのは藤浪晋太郎の復活。「藤浪が単なる不調なのか、噂されているイップスなのかは分かりませんが、阪神が勝つためには、藤浪の力がどうしても必要です」(スポーツ紙デスク)

■ヤクルトスワローズと中日ドラゴンズは駒不足

 残るヤクルトと中日だが、ここはどう考えても駒不足。「今年のヤクルトのキャンプは、評論家の間では“いい練習をしている”と評判ですが、今までチンタラしていたのが、スパルタ派の宮本慎也コーチの加入で少しマシになっただけ。そう簡単にチームの体質は変わりませんよ。先発の駒が少なすぎるし、今年から日本復帰した青木がいくら頑張ろうと、ちょっと勝てないですよね」(スポーツ紙デスク)

 最後に中日。松坂大輔の加入で注目はされたが……。「おそらく中日で松坂の話題が中心になるのはキャンプ、オープン戦の間だけ。シーズンに入れば、彼の話題は潮が引くように消えてしまうと思います」(前同)と、シビアな見方をするムキが多い。こうした冷ややかな見方を裏切って、松坂にはぜひ、活躍してほしいものだが……。

 はたして今年の覇者となるのは、どのチームなのか。今から開幕が待ち遠しい!(予想はすべて2月20日現在)

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