■新ルール「タイブレーク制」とは?

 甲子園では今大会から、延長13回から「タイブレーク制」を導入。これは、各回で通常は無死走者なしからスタートするプレーを、いきなりランナーを置いて始めることで得点を入りやすくし、時間を短縮する制度だ。今大会から、13回以降は無死一、二塁で始まることとなる。

 過去の高校野球では、延長回数の制限がなかったため「延長25回」などという試合が生まれ、選手の負担になることもあった。58年の夏からは、延長18回を終えて同点引き分けの場合は、その時点で試合を終了し、後日、再試合を行うという制度が確立。00年には延長戦が15回制に短縮された。

 それでも“引き分け再試合”は減らず、選手の体を守るため、タイブレーク制の導入となった。いきなりランナーがいる光景には違和感を覚えるかもしれないが、これも時代の要請ということだろう。

■春だけ現れる「21世紀枠」のナゾ

 都道府県大会の優勝チームが本大会に出場する夏の甲子園大会と違って、春は基本的に、その前年の秋の各地方大会で好成績を収めたチームの中から、出場校が文字通り「選抜」される。21世紀枠とは2001年から取り入れられた制度で、単に大会の成績だけではなく、8強(参加校の多い地区では16強)入りした学校の中から、「困難の克服」「マナーの模範」「文武両道」などの面で特徴のある学校をピックアップして、優先的に出場させる制度。進学校や公立校などが優先的に選抜される傾向があり、今大会においては由利工(秋田)、膳所(滋賀)、伊万里(佐賀)の3校が選ばれているが、あまりに基準が不明確であるという批判も根強い。特に今回は滋賀県から一般選考で近江、彦根東が選ばれているため、前代未聞の1県3校出場という形に。またぞろ物議を醸しそうだ。

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