安倍晋三首相
安倍晋三首相

 文書改ざんにセクハラ問題。相次ぐスキャンダルで虫の息の死に体政権。後釜を狙う候補たちの素顔を暴く!

「9月に予定通り総裁選が行われると思っているのは、安倍晋三総理(63)だけですよ」(永田町事情通) もはや、マスコミ各社の世論調査でも「安倍首相が信頼できない」という声が圧倒的。支持率も2割台へ落ち込み、これを受けて永田町では“安倍降ろし”が始まっている。「総裁選を待たずに安倍内閣が退陣した場合、両院議員総会で議員票によって後任総裁を決定するか、総裁選を前倒して行うかのどちらかになるでしょう。来年の統一地方選と参院選は安倍さんでは勝てないという観測が広まっていますので、総裁の交代はやむなしかと思います」(自民党関係者)

 そうなると気になるのが「ポスト安倍」の面々だ。来年、主要20か国・地域首脳会議の議長国となる日本だけに、次の総裁は“世界の顔”。自民党内で、いわゆる「身体検査」が始まる前に、安倍首相の首を狙う“7人の侍”を徹底調査してみよう。

■石破茂元防衛大臣が本命

 1人目はもちろん、この人。本命といわれる石破茂元防衛相(61)だ。「政治は正直で、誠実で、親切で、丁寧でなければいけない」と、安倍首相を暗に批判する政治家の理想像を示し、我こそがポスト安倍の最右翼、と自認している。近く『石破茂の頭の中』(ブックマン刊)を出版する政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が、こう語る。「安倍総理と憲法改正や安全保障で共通しているように思われているかもしれませんが、似て非なるもの。特に経済政策では、経済成長にこだわる安倍総理と地方創生に真剣に取り組むという石破氏とでは、真っ向から対立しています」

 父親は鳥取県知事や自治大臣を経験した二世議員。三井銀行の行員から衆院議員へ転身し、当選回数は、“7人の侍”の中で最も多い11回だが、45歳で小泉純一郎内閣で初入閣するまでは、無名の存在だった。当時、あるテレビ局の記者が議員宿舎へ取材に行ったところ、至るところに戦車や戦闘機のプラモデルが飾ってあり、以来、“オタク・キャラ”として一躍、脚光を浴びることに。そんな軍事オタクが大臣になったから、さあ大変。「防衛大臣に就任した際、大臣があまりに専門的すぎる話をするので、省内から批判があったようです」と言うのは、政治評論家の角谷浩一氏。知りすぎていると、かえって官僚には嫌われるようだ。

 ただし、防衛大臣時代に「美人秘書を特別に大臣秘書官室へ出入りさせ、防衛情報漏洩の恐れがある」と叩かれたことがあったものの、スキャンダルらしきものは見当たらない。「金にはキレイな人。たとえば、記者たちと食事しても必ず割り勘で支払っています」(前出の鈴木氏)

■元銀行マンの岸田文雄政調会長

 次に、安倍首相からの禅譲を狙う岸田文雄政調会長(60)は、祖父の時代から続く三世議員。石破氏と同じく元銀行マンで、当選回数は9回。元経産省官僚の古賀茂明氏は、こう語る。「岸田さんはもともと商工族。私が経産省の官僚だった時代からよく見てきました。敵は少なく、官僚からも好まれています。外交安保問題では自民党の中でもリベラルに近く、経済政策も、もともと商工族だから、日本経済を立て直すには石破さんよりいいでしょう。最大の課題はリーダーシップを発揮できるかどうか。たとえば、アメリカのトランプ大統領と会談し、はっきりとモノが言えるかどうかというと疑わしいですね」

 高校野球の下馬評にたとえると、走攻守のバランスはいいものの、これといった特徴がなく、「優勝してもファンの記憶に残らないタイプ」(夕刊紙記者)だと評される。

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