筒香、山田、柳田…メジャーが狙う「和製スラッガー」たちの画像
筒香、山田、柳田…メジャーが狙う「和製スラッガー」たちの画像

 日本のパワーヒッターは、海の向こうでは通用しない。そんな通説が“二刀流”の活躍で激変。米国から熱視線を浴びる侍も!

 メジャーリーグという夢の舞台で、投手としても打者としても、高いレベルの結果を残したエンゼルスの大谷翔平。特に「バッター・大谷」は、メジャーにおける日本人選手の常識を覆した。大リーグ研究家の福島良一氏が解説する。「これまでメジャーで活躍してきた日本人打者は、パワーヒッターというよりはラインドライブヒッター。どちらかと言うと、機動力と守備力が売りの選手というイメージでした。アベレージもよければ、選球眼もいい。中南米のパワーヒッターにはない、そういった部分を高く評価されてきたんです」

 ところが大谷は、そうした日本人的な、スピードや選球眼を持ちつつも、アメリカや中南米の選手が持つようなパワーをも兼ね備えているという驚異的なバッターだったというわけだ。この大谷の活躍で、日本人でも並外れたパワーの持ち主がいることが証明された形となり、メジャーのスカウトたちの意識も変わった。これまでとは違った目で、日本人選手を見るようになってきたのだ。

 さて、大谷の次にメジャーが狙っているのは、どの選手なのか――。「今、日本で“最もメジャーリーガーに近い”と呼ばれているのが、DeNAの、というより、ニッポンの4番・筒香嘉智です。あの安定した打撃フォームとパワーは、間違いなくメジャーで通用するはず。一部からは、水面下で調査に入ったメジャー球団があるという話も聞きます」(スポーツ紙デスク)

 阪神やアスレチックスで活躍した野球評論家の藪恵壹氏は、筒香について「飛ばせる打者」として、メジャーでも十分通用すると評価し、こう続ける。「2015年のオフ、筒香はドミニカ共和国のウインターリーグに参加した際に、それまでの足を上げてタイミングを取る打ち方をやめて、現在のような、どっしりと構える打法に切り替えました。これによって、メジャー流の動くボールにも対応できるようになり、それが今日のブレイクのきっかけになっています。彼のスイングスピードならメジャーに行っても、十分やっていけると思いますよ」

 ウインターリーグに参加した翌年に当たる16年、筒香は44本塁打、110打点と打ちまくって本塁打王、打点王の二冠に輝いた。これをきっかけに日本代表・侍ジャパンの4番を務めるようになり、国際試合を経験すると、メジャーで勝負したいという気持ちが強くなったといわれている。「これは“侍ジャパンのチームメイトが筒香から聞いた話”として伝わった噂ですが、ここにきて、来年にもメジャー挑戦すると口にしたとの話も出ているんです」(前出のデスク)

 もちろん、DeNAは完全否定しているが、「18年シーズンの成績次第では、条件つきで移籍を認める方針」(前同)という話もあるようだ。今シーズンは、開幕当初こそモタついたものの、5月20日の巨人戦での一試合3本塁打をきっかけに復活。50試合消化時点で、打率.302、打点39、本塁打15と気を吐いている。噂が本当なら、筒香を日本球界で見ることができるのも今年限りということになるが、一方では、こんな声もある。「ある著名なプロ野球界の重鎮が、今の筒香を見て、現在のNPBに在籍するバッターのナンバーワンであることは間違いないが、少し柔軟性に欠けるところがあるのではないかと危惧しています。大谷のようなしなやかさが感じられないところが心配だと言うんです」(野球専門誌記者)

 いずれにせよ、彼のダイナミックな打撃がメジャーの好投手に、どこまで通用するのか、じっくり見てみたいものだ。

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