仁支川峰子
仁支川峰子

 歌に映画に写真集に舞台に、さまざまなジャンルでいずれも高評価を得てきた仁支川峰子さん。45年の芸能生活で、酸いも甘いも噛み分けてきたからこそ、ひと言ひと言に重みがあるのだ!

――昨今の芸能界では、不倫の話題が多いですよね。

仁支川 みんな、下手よね。嘘をつくし。ああいうのは認めちゃったほうがいいのよ。そしたら追いかけられないのに。

――なるほど、そういうもんですか。

仁支川 私も23歳のときに(火野)正平ちゃんとそういう関係になった際は、すぐに認めましたよ。でも、記者会見はしませんでしたね。だって、大勢が一斉にガーッて来たら、どうなるか分からなかったし。

――じゃ、記者と1対1で取材を受けたんですか。

仁支川 そう。鬼沢慶一さん、梨元勝さん、福岡翼さんといったリポーター1人ずつと、個室で話したの。1対1だと、結局は人間同士の話になるから、すぐに理解してくれましたよ。

――不倫報道ブームのキッカケになった、ベッキーの記者会見はどうご覧になりました?

仁支川 アレはダメよ。ベッキーちゃんは、本当の自分とは違うキャラクターを作って出てきて、ちゃんと自分の言葉で答えないで引っ込んだでしょ。素直に認めさせて、本当のことを好きなようにしゃべらせてあげたら良かったのよ。

――では、斉藤由貴のケースはどう思われましたか?

仁支川 アレも下手だったよね。最初はうまくかわしたつもりだったんだろうけど、後から後から写真が出てきちゃって。アレも初めから認めるべきだったのよ。そうすれば第2弾は出なかったかもしれないでしょ。1回目で認めて、「ホントに申し訳ありませんでした」って謝らなかったから「反省しないじゃん」ってことになるのよ。

――なるほど~。

仁支川 私も正平ちゃんとのときがそうだったけど、非を認めるということは、「1回ダメになる」ということなの。当時、やらせていただいていたCMも、それでなくなりましたからね。だけど、素直に認めると、みんな逆に応援してくれましたよ。私のファンは、それまで8割が男性だったけど、あの騒動からは比率が逆転して、今ではファンの8割が女性なんです。

――仁支川さんのお話はいつも歯切れがいいから、女性ファンもスッキリするんですね。さて、今さらですが、仁支川さんは演歌歌手でデビューされたんですよね。

仁支川 そう。もともと私は女優志望だったの。子どもの頃、体が弱くて、母が歌うことによって肺や内臓から強くしてあげようと思ったみたいで。そもそも、5歳ぐらいまでは足が立たなかったんで。

――えっ、そうなんですか。

仁支川 当時住んでいたところは6歳のときに初めて電気がくるようになったような山奥で、やまびこが返ってくるように、毎日1時間くらいお腹に力を入れて歌っていたんですよ。

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