■『探偵!ナイトスクープ』神回【爆笑編】「謎の爆発卵」(1993年12月24日放送)

「友人が電子レンジで卵をゆで卵にし、かじったとたんに爆発した。この現象が本当かどうか確かめてほしい」という依頼人の元に出向いたのは、ミスターナイトスクープこと桂小枝探偵。

 まず検証1回目。電子レンジで温めた卵は高温でマジックハンドでしかつかめなかったものの、爆発は起きず。2回目、水入りコップの中に卵を入れて温めると、加熱中に爆発。声を上げて驚く2人。3回目。最後まで温まり殻を剥き、依頼人が一口、小枝も食べ始め、一度卵を机に置いた瞬間、卵は爆発。部屋中に飛び散ってしまう。4回目。依頼の元となった友人を呼び、彼の言う通り卵をラップで包み、電子レンジへ。そして取り出そうとしたときに、爆発。依頼人に破片が直撃。

 最終的にはゴーグルをし完全防備で挑み、完成した卵をまずは小枝が食すも不発。その後もう一度、新たに温めて、依頼人が口に入れた瞬間……“ボンッ!!”卵は顔前で爆発し、依頼人は吹き飛んだのだった。スタジオに戻ると、小枝は爆発卵の危険性を説明し、「よい子は真似しないでね」と締めくくった。

 この回に対し松村さんも、「あの時代だからできたギリギリな放送」と振り返る。「他の回でも、テロップに、“みなさんマネしないでください。探偵は特別な訓練を受けています”と出ることがありますが、どんな訓練だよと(笑)。そんなの受けてないですよ」

 なお、この依頼は先の4月6日放送の30周年記念企画「視聴者が選ぶベスト10」で2位に選出された。

■『探偵!ナイトスクープ』神回【家族編】「亡き父にそっくりな飯田選手とキャッチボール」(2007年4月27日放送)

 依頼人は長崎県の18歳の男性。7年前に亡くなった父親が元プロ野球選手・飯田哲也さんそっくりで、12歳の弟とキャッチボールをしてほしいという依頼。松村探偵は、当時、飯田が2軍コーチとして所属していたヤクルトスワローズにアポイント。無事、埼玉県の戸田球場で対面を果たす。「兄弟は以前から、“お父さんを見に行く”と言い、ヤクルト戦を見に行っていたんです。あの日は会う前の昼食中から緊張しっぱなしで、僕は“明るく行こうよ!”と励ましましたね。飯田さんといざ出会った瞬間、目に涙を浮かべていました」(松村さん)

 松村探偵は、「今日は飯田さんをお父さんだと思って」と兄弟を促し、キャッチボール。弟は肩車もしてもらい、笑みをこぼす。さらに母親も、大学受験に失敗した兄の進路相談をする。「飯田さんは、“勉強だけが能じゃない”と。奥さんも涙目になり、最後は全員とハグしました」(前同)

 この展開に、西田局長が泣かないわけがない。「西田さんが僕に、“飯田さんにお礼が言いたいから連絡先を教えて”と言うので伝えると、その夜、僕の電話に留守電が入っていました。再生すると西田さんの声で、“飯田さんですか。本当にありがとう。あなたは野球選手じゃない。素晴らしい探偵ですよ。本当にありがとう!”と。いやいや局長、間違って僕にかけてますよと(笑)」(同)

 後日、西田局長はきちんと電話を掛け直し、飯田さんも「この仕事をしていて、本当によかった」と喜んだそうだ。

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