■6年後に5000万円になる!?

 では、もう一度、1ビットコイン=230万円という暴騰を見せるのか?「仮想通貨は、普及すればするほど価格が跳ね上がる仕組みです。つまり今、どのくらいの人がビットコインを持っているか、それが将来、何人が持つようになるのか、その倍数に現在の価格をかけたら、将来のビットコインの適正価格が弾き出せるはずです。世界に75億人が暮らす中、まだ2500万人しかビットコインを持っていないわけですから、非常に少ないんです。こうした状況を考慮して計算してみると、6~8年後、1ビット75万円ではなく5000万円~1億円が、適正価格になっているはずです」

 仮に8年後、1ビット=5000万円になると仮定した場合、その価値は現在値の約67倍になる。「自信はあります。政府が管理する既存の通貨のほうが、やっぱり信用できるよね……となって、仮想通貨が先細りとなる可能性は1%あるかないかでしょう。僕が30年前に、ヤフー株が上がりますよと周囲に薦めても、ITバブルが来る前ですから、おそらく誰も信じなかったでしょう。仮想通貨も、それと同じことだと思います」

 ただし、いくつか注意しておきたいポイントもあるという。今年1月、仮想通貨取引所のコインチェック社が、外部からハッキング攻撃を受け、同社が保管していた仮想通貨ネムの顧客資産のほぼ全額が、不正に引き出されていた。被害総額は約580億円。それを受け、ナカモトさんに仮想通貨取引の開設から、安全な資産の保管方法まで解説してもらおう。

「まず、どの銘柄を買うかですが、僕はビットコインをお薦めしています。円やドルという基軸通貨には日本やアメリカという発行母体がありますが、その国の金融政策によって、その価値は簡単に変動します。そうしたリスクを低減できるのが仮想通貨です。つまり、発行母体がなく、円やドルに代わる世界基軸通貨を目指すというのが、仮想通貨の究極の理想なんです。ところが、主要な仮想通貨と呼ばれている銘柄であっても、銀行や大手企業などの“発行母体”を持っていることが多いんです。これでは、国家が発行する通貨と同じになってしまいますが、唯一、ビットコインだけは、発行母体のない仮想通貨なんです」

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