■東京オリンピックまで2年を切ったが…

 その後は、父親の仕事を手伝いながら、選手たちをサポートする立場でアマチュアボクシングに携わってきた山根氏。ときには家族をも犠牲にしてきた。

「今の妻は、4人目の妻です。2番目の妻と結婚していた頃は、新大阪の近くで、2人で喫茶店をやりながらボクシングの活動に携わっていました。ただ、その活動費を、その喫茶店の売り上げから補てんしていたもんだから、1回に数十万円の金を持っていく。耐えられなくなった妻から“ボクシングか私か選んで……”と言われて、私はボクシングを選びました。妻はある日、私が海外遠征から戻ると忽然と消えていたんです。

 12年後に、やっと京都で発見しました。どうも妻は(前述の)森田氏に夫婦仲を相談していたみたいで、“それなら離婚せえ”と、夜逃げする手はずを、森田氏に整えてもらったらしい。そのうえ、妻は詐欺事件に利用されてしまった。それが分かって、彼とは一線を置いたんです。

 3番目の妻とは、籍は入っていませんでしたが、妻が母親の介護のために鳥取に帰ることになって、そのときも同じ選択肢を迫られました。結局、そのときも、私は自分の家族よりもボクシングを選んだんです。その結果が今回の会長辞任劇のようなことになり……寂しいもんですよ」

 命を張って山根氏が守ってきた日本のアマチュアボクシング。新体制でどう変わっていくのか。東京五輪のある2020年まで、もう2年を切っている。

■山根明前会長 経歴と騒動の経緯

  • 1991年 日本ボクシング連盟理事就任
  • 1995年 AIBA(国際ボクシング連盟)常務理事就任2000年 シドニー五輪日本選手団ボクシング競技の監督を務める
  • 2011年 日本ボクシング連盟会長に就任2012年 理事会全員一致で「終身会長」となる
  • 2015年 成松大介選手への助成金240万円を他の2選手に80万円ずつ配分するよう要求
  • 2018年7月 都道府県連盟の幹部や元選手ら333人が名を連ねた告発状が日本オリンピック委員会(JOC)や日本スポーツ協会などに提出される。
  • 2018年8月 日本ボクシング連盟会長および理事を辞任することを表明

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