■地元の居酒屋やタクシーの運転手に聞いておいしい店を

 では、ローカルチェーン店を体験した後、さらにその地方にあるおいしい店を探すには、どうしたらいいだろうか?「最近ではお店探しといえば、パソコンやスマホのグルメサイトで検索するのが定番です。しかし、これらのサイトには、宣伝も多く混じっていますし、まさに玉石混淆。情報が多すぎて、逆に分かりにくくなっているのが実情です。本当においしい店を知りたいときは、地元の居酒屋へ飲みに行ったついでに聞いてみたり、移動中にタクシーの運転手さんに聞いてみるのがオススメですね」(グルメ誌記者)

 餅は餅屋、地元のおいしい店は地元民に聞け、というわけだ。そして、地元民へおいしい店を聞くときにも、ローカルチェーンへ行っておくと、その経験が役に立つ。

「ローカルチェーンは、地元では誰もが知るスタンダードな味の店です。その味が自分にとってどうだったか、たとえば、“もっと濃いほうがいい”とか“もう少し薄いほうが好み”というように伝えれば、ローカルチェーンを基準に、あなたが好むタイプ店や、本当はヨソ者には知らせたくないような隠れた名店まで教えてくれるはずです」(前同)

 文末の47都道府県ラーメン店MAPで紹介しているのは、地元の人に愛され、味も高い評価を受けており、そして、その土地のラーメンのトレンドをもリードしている店だ。はんつ氏は、「たとえば、青森の『八甲田食堂』は、ラーメン研究家の石山勇人さんが地元で出店した店で、青森ならではのエッセンスがちりばめられた、素晴らしいラーメンが味わえます。東京の『火の豚』は、今年きそうなコッテリ辛味系を先取りしていますし、大阪の『吉岡マグロ節センター』のラーメンは、関西の“だし文化”が生みだした傑作とも言うべき逸品です」と語り、こう続ける。

「リストにある店は今、通から注目されている名店ばかり。遠方からでも足を運ぶに値する特色ある味わいが、あなたを満足させてくれるはずですよ」

 寒い冬は、一年を通じて、もっともラーメンがおいしく感じる季節。遠出をしたら、新しい味に出合いに行ってはいかがだろうか?

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