その都会派イメージを決定づけたのが、短大への進学である。
高3の頃から、83年4月にスタートした伝説の女子大生番組『オールナイトフジ』(フジテレビ系)に、マスコット的存在として出演していた。
この番組、都内のおしゃれスポットやら、最新の洋楽やら、新作映画やら、若者向け情報番組の体裁を保ちつつも、女子大生がアダルトビデオソフトを紹介するなどエロ要素もふんだんにある内容で大当たり。出演していたシロウト女子大生集団・オールナイターズの人気が沸騰した。
そして、松本伊代もオールナイターズに負けじと、84年春に戸板女子短期大学に進学。晴れて女子大生となるのだ。
その後、番組の司会者に昇格。レギュラー出演者で当時は今とキャラがまったく違った片岡鶴太郎(64)によるシモネタ攻撃を天然ボケでかわす司会ぶりが人気を集めた。さらに同時期、ラジオの元祖女子大生番組『ミスDJリクエストパレード』(文化放送系)のパーソナリティを担当。まさに女子大生ブームの顔となったのだった。
一般の女子大生がお気楽なキャンパスライフを送るように、女子大生アイドルもマイペースな芸能活動を続けた。
86年公開の五社英雄監督作『薄化粧』(松竹)で、着物の裾をたくし上げ男を挑発するシーンを演じるなど艶技に開眼しかけたこともあったが、女優業には積極的ではなく、主にバラエティ番組をホームグラウンドとした。
私生活では同い年のタレント・ヒロミ(53)と93年に結婚。以来、円満な結婚生活を送っている。現在の彼女はママタレントとして、相変わらずマイペースで芸能活動中。18年には、同期デビューの早見優とジョイントライブを行うなどもした。
19年6月には54歳になるが、その見た目、キャラクラー、物腰は女子大生時代からほとんど変わっていない。
80年代アイドル美女黄金白書
- 第1回 小泉今日子小泉今日子は“過激路線”で80年代アイドル不動の地位を築いた
- 第2回 中森明菜中森明菜“悲劇の歌姫”は80年代から現在をどう走り抜いたか
- 第3回 森高千里森高千里は現在に連なる「美脚&コスプレアイドル」の元祖!
- 第4回 松田聖子松田聖子は「仕事の充実」と「プライベートの謳歌」両方を追求し続けたトップランナー
- 第5回 薬師丸ひろ子薬師丸ひろ子「安売りしないプレミアム感」が特別な80年代アイドルたらしめた
- 第6回 武田久美子武田久美子“貝殻ビキニ”以前の知られざる過去
- 第7回 三田寛子三田寛子「未来の人間国宝」の嫁は80年代最大の勝ち組!?
- 第8回 中山美穂中山美穂「エッチ路線」担当アイドルからパリのマダムに
- 第9回 堀ちえみ堀ちえみ「ドジでのろまなカメ」はママタレとして芸能界で歩み続けた
- 第10回 松本伊代松本伊代「女子大生ブーム」に見事に乗った都会派アイドル
- 第11回 南野曜子南野陽子が「アイドル」から「女優」になるために必要だった衝撃の仕事
- 第12回 三原順子三原順子、“ヘア写真”をリリースした唯一の国会議員
- 第13回 菊池桃子菊池桃子「アイドル誌の雑誌名にもなった」圧倒的な清純性
- 第14回 森口博子森口博子は現在隆盛の「バラドル」のパイオニアだった
- 第15回 長山洋子長山洋子「美人演歌歌手」のアイドル時代を知っているか!?
- 第16回 早見優早見優、初代『Mステ』MCだった、初の“バイリンガルアイドル”
- 第17回 後藤久美子後藤久美子“歌わない”女優アイドルの原点的存在
- 第18回 新田恵利新田恵利、おニャン子クラブの人気を支えた「フツーのちょっとかわいい女の子」
- 第19回 斉藤由貴斉藤由貴、朝の連ドラ主演、紅白司会、歌手出場を成し遂げた「奇跡の清純派」
- 最終回 宮沢りえ宮沢りえ、常識を打ち破った80年代最後のトップアイドル
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