こんな話もある。

「88年、主演映画のために用意された原作・林葉直子作の『とんでもポリスは恋泥棒』に難色を示し、代替案として提示された企画『魔法使いサリー』もまた却下。最終的には、土壇場で少女漫画の映画化企画(『菩提樹 リンデンバウム』)にOKを出し、ようやく製作される運びになりましたが、お陰で製作日程が大幅に遅れ、わずか2週間で撮影せざるを得なかったとか」(映画雑誌記者)

 この時代のナンノに怖いものはなかった。だが、89年に大きな転機が訪れる。所属事務所からの半ば強引な独立だ。トラブルメーカーとしてメディアで徹底的に叩かれ、アイドルとしての地位に致命的なダメージを受けることになる。

「ただし、この独立劇は一方的に南野サイドに非があるわけでもなかったことが後にわかります。というのも、旧事務所は彼女を低ギャラで酷使していたばかりか、無断で南野名義による億単位の借金をしていたというのです。彼女はそれを返済し続けていたようです」(前述の出版関係者)

 低迷期を迎えたナンノだが、持ち前の負けん気の強さで、逆境を跳ね返す。

 90年代に入り女優活動に専念し体当たり艶技に挑戦。92年に映画『寒椿』では一糸まとわぬ姿を披露するのだ。これは東映の十八番で、女優が脱ぐことが定番化している宮尾登美子原作ものだ。

 さらに同年、映画『私を抱いてそしてキスして』(東映)では、エイズ感染者の女性を熱演。アイドル時代には考えられないような役に挑むことで女優としての評価を高めていった。

 また、00年代以降はラジオで培ったトーク力が再評価され、バラエティ番組にも進出。変わらぬ美貌が女性誌で取り上げられる機会も増えた。

 このように仕事は順調だが、プライベートはどうだろうか? その男性遍歴は実に華やかだが……。

 少年隊の東山紀之(52)、TUBEの前田亘輝(53)、米米CLUBのカールスモーキー石井(59)、プロ野球選手(当時)の池山隆寛(53)と噂されたのは大物ばかり。その後、交際説の流れたクリエーターの箭内道彦(54)も広告業界の有名人だ。

 アイドル時代には24歳での結婚を宣言していたナンノだが、有言実行とはならず。実際に結婚したのは43歳になった2011年。相手は実業家の男性だった。

 現在も女優として活躍中。18年には、スキャンダルで降板した斉藤由貴に代わり、NHK大河ドラマ『西郷どん』に出演し、幾島役を好演した。

 今年6月で52歳になるが、その華やかな美しさは『スケバン刑事』の時代から変わっていない。

80年代アイドル美女黄金白書

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