森口博子
※画像は森口博子の1stシングル『水の星へ愛をこめて』より

80年代アイドル美女黄金白書

第14回・森口博子

 指原莉乃(26)と小島瑠璃子(25)を双璧として、現代はテレビのバラエティ番組での対応力が高いアイドルや若手女性タレントが重宝される。

 だが、80年代半ばまでは、誰もアイドルのしゃべりに期待していなかった。ラジオでのフリートークが面白いと評価されていたアイドルもいたが、かといって、“聖子はアドリブが効かない”、“あの番組の明菜は置物だった”、“キョンキョンのコメントは塩”などとディスられることも決してなかったのである。

 では、アドリブ力、トーク力がアイドルに求められるスキルとなったのは、何がきっかけだろうか? それは間違いなく、80年代後半の森口博子(50)、井森美幸(50)、山瀬まみ(49)らバラエティ番組を中心に活躍するアイドル、“バラドル”の登場だろう。

 ルックスのいいアイドルが、芸人並みにボケたり突っ込んだり、体当たりで汚れ仕事をやったり……。バラドルの誕生は、テレビ界に新風を巻き起こした。

 さらに90年代になると、歌番組の減少に加え、さまざまな番組にあった“歌のコーナー”も撤廃されてしまい、アイドルがテレビに露出する手っ取り早い手段がバラエティ番組出演にほぼ限定されることになる。こうして、ボーダーレス化が進み、2000年代にはメジャーなアイドルにもアドリブ対応、トークのスキルが求められるようになるのだ。

 森口博子は、そんな流れの源流に君臨する存在だ。

 福岡生まれの彼女は、両親の離婚により女手ひとつで育てられている。その母親は、娘を芸能界入りさせることが夢だったようで、幼少児からタレント養成スクールに通わせていたという。

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