■愛知県や長野県はかかりにくい

 今回の調査で罹患率が2番目に低い県となった愛知は、前回調査でも、「がんにかかりにくく、がんで死亡するケースも少ない」県だった。これには、いくつか理由があるようだ。まず、塩分摂取量や喫煙率が全国平均より、かなり低いことが挙げられる。

 さらに、愛知はトヨタをはじめとする大企業が多いため、工場従業員から営業マンまで、健診受診率が高い。このとき、がん健診もしっかり受けて、がんの早期発見と早期治療につながる――これが死亡率が少ない理由のようだ。

 加えて、愛知県民の99%が、がんの受診と治療の要となる「拠点病院」まで車で30分以内で行けるという医療環境も関係している。「より簡単に健診を受けられる環境が、がんの予防と治療に寄与しているのだと思います」(松田室長)

 罹患率が低い県3位の長野県の要因として、全国一、野菜を多く食べることがまず挙げられる。『カゴメ』が昨年8月に公表した調査では、1日の野菜摂取量で、長野県が2位の山梨県を大きく上回って1位だった。この食生活に加えて、手厚い保健行政で県民の間に健康意識が浸透し、かつ、医療を受けやすい環境にあることが大きいという。

■長崎県がワースト1

 さて今回、罹患率ワースト1になった長崎県は、前回の調査では胃がん、大腸がん、食道がんなどの順位は低かったという。だが、今回は一転して最下位に転落。いったい、なぜなのか? 岡田正彦・新潟大学名誉教授(医学博士)によると、「今回のデータは、がんの検診率に比例していることが大きい」と解説する。

「つまり、検診に熱心な都道府県はワースト上位になり、逆はベスト上位になるわけです。また、このデータで食生活などとの因果関係を見つけることは難しいと思います」(前同)

 禁煙をして塩分やアルコール、過度な炭水化物は控えめにする。そして、がん検診は積極的に受け、体に異変があるときは、すぐに受診する――これが「がんから身を守る方法」と言えそうだ。南北に長く、気候の違いも大きい日本列島。それぞれの県民性から、“長生きのツボ”を見つけていただきたい。

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