巨人&11球団「プロ野球新戦力」格付けリストの画像
写真はイメージです

 金満と叩かれた球界の盟主にFA補強に失敗した日本一チーム……。新加入選手の期待度を本誌が厳しくジャッジ。

 ついにプロ野球12球団がキャンプイン。オフの間に各球団が推し進めた戦力補強が、初めて“お披露目”。今季の優勝を占ううえで、新戦力は大きな要素。そこで今回は、12球団の補強を「格付け」し、その充実度を分析する。

 今オフ最高最大の新戦力といえば、やはり巨人にFA移籍した丸佳浩だろう。丸は、3連覇を成し遂げた広島の主砲にして、2年連続MVPのスーパースター。50億円超ともいわれる巨人の大型補強の中にあっても、その存在感は特別だ。「スラッガーとしての能力はもちろんですが、丸は今年で30歳とまだ若い。まさに脂が乗り切っていて、かつての小笠原、ラミレスのように、新入りながらチームを引っ張る選手となるのは間違いないでしょう」(スポーツ紙デスク)

 丸といえば、昨年に争奪戦が繰り広げられた際、ミスターこと長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督が直筆の手紙を送り、口説いたことでも知られている。「打撃だけじゃなく、守備も走塁も優れている丸は、ミスターの好きなタイプ。監督時代は大砲ばかり獲得していたミスターですが、本当は三拍子そろった選手が好み。ミスター自身がそういう選手でしたからね」(元巨人番記者)

 昨年は“ここ一番”というところでヒットが出ず、1点差負けの試合数がリーグワーストだった巨人。丸の加入で得点力不足は解消できそうだが、原辰徳新監督は、さらなる秘策を準備しているという。それは“2番・丸”構想だ。「2番に最強打者を置くのは、今やメジャーでも主流。さらに、原監督は出塁率4割超えの坂本と丸を1番、2番に並べることで、4番・岡本の勝負強さを生かそうと考えています。この打線が完成するなら、確かに他球団には脅威となりますね」(前出のデスク)

 だが、今回の巨人の大型補強で優勝のキーパーソンとなるのは、実は丸ではないという。「巨人のカギは、ズバリ新外国人のクックです。この投手の活躍がセ・リーグを左右すると言っても過言ではありません」(スポーツ紙ベテラン記者)

 クックは今季、MLBのマリナーズから移籍した新守護神候補。救援投手として、メジャー通算17セーブ58ホールドをマーク。オールスター戦の出場経験もあり、実績は申し分ない。「150キロを超える速球に、変化球も豊富。しかも奪三振率が高く、まさに抑えにピッタリ。巨人の低迷は、リリーフ陣の崩壊のせいでもありましたから、クックが守護神として実力を発揮できるなら、巨人の独走もありえますよ」(前同)

 しかし、クックには懸念材料もある。「2016年にトミー・ジョン手術を受けて以降、まだ全盛期の力が戻っていないのは事実。日本の野球に適応できるか以前に、そこが心配ですね」(同) 長嶋監督以来の伝統でもある“勝利の方程式”の完成が、今季の巨人のポイントとなりそうだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4