早見優
※画像は早見優の1stシングル『急いで!初恋』より

80年代アイドル美女黄金白書

第16回・早見優

 常夏の国で育ち、日本のアイドルシーンに逆輸入された早見優(52)は、事実上、初めて商業的に成功したバイリンガルアイドルに成長していくことになる。

 日本の芸能界にはそれまでもバイリンガルの女性タレントは存在していたが、外国人のアグネス・チャン(63)を例外に、アイドル歌手として爆発的な人気を得た例はほぼない。ほかに、南沙織(64)も英語が堪能だったとされるが、その部分を前面に出すことはなかった。つまり、70年代には“英語が話せる”ことが、日本の女性アイドルにとって必ずしもプラスになるとは考えられていなかったということだろう。

 だが、80年代になると世の中の空気も変わった。“ハワイ育ちで、英語が話せる”をセールスポイントとした早見優は、そのさわやかなキャラクターもあり、むしろ時代に受け入れられた。

 3歳のときに渡米(当初はグアムに在住)した彼女は、14歳でハワイのデパートで日本の芸能関係者にスカウトされている。その後、デビューに向けて帰国し、アメリカンスクールへ通いながらレッスンを受けていた。

 歌手デビューは、未曾有の新人アイドル豊作年である82年。当時、松田聖子(56)と同じ事務所(サンミュージック)に所属していたこともあって、バックアップ体制は強力で、デビュー曲『急いで!初恋』も、本人出演のシャンプー&リンスのCMソングと実に恵まれた環境にあった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3