現在、彼女の名前をネットで検索すると、「なぜ、人気があったのか?」、「いま見るとかわいくない」といった不当な評価を受けていることが分かる。

 しかし、80年代の少年たちが直感的に選んだのは彼女だった。これは、間違いない事実である。

 まだ方向性が定まっていなかった初期おニャン子は、番組開始直後にメンバー5名が喫煙している写真が週刊誌に掲載されるというピンチを迎えている。結局、この5名は即クビになり、そこに会員番号1〜3番が含まれていたことから、メンバーを紹介する際は必ず4番の新田が最初になった。これも、彼女が目立つ結果となっている。

 喫煙写真の件はイメージ的にも、戦力的にもダメージは少なくなかったが、おニャン子はこの危機を乗り切った。新田を筆頭に、会員番号8番・国生さゆり(52)、会員番号12番・河合その子(53)ら初期メンバーが短期間で多くのファンを獲得。『夕ニャン』を人気番組へと押し上げていく。

 そして、夏には『セーラー服を脱がさないで』でレコードデビュー。新田は、当たり前のようにメインボーカルの一人に選ばれた(もともとソニーがツバをつけていた国生、河合はレコード会社との契約の関係からか選出されず)。

 その前後から、全国的なおニャン子ブームが巻き起こり、新田人気も爆発。そのピークは、彼女が待望のソロデビューを果たす頃だろうか。

 86年元日に発売された『冬のオペラグラス』は、女性ソロ歌手初のデビュー曲オリコン初登場1位を記録(しかも実質4週連続1位!*2)。この頃、新田は間違いなく日本のトップアイドルだった。人気に便乗して“新田恵美”なる、そっくりなセクシー女優まで登場したほどだ。

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