ところが、この爆発的人気も長くは続かなかった。
おニャン子に会員番号29番・渡辺美奈代(49)、会員番号36番・渡辺満里奈(48)、会員番号38番・工藤静香(48)、会員番号40番・生稲晃子(50)ら幹部候補生が続々加入。ファンの関心が分散していくのである。
そして、古株の彼女は、86年秋にグループを卒業。独り立ちを果たす。
後ろ盾を失った元おニャン子に芸能界の荒波は厳しかった。レコード売り上げも減少。CMや芝居の仕事も続かなかった。87年9月におニャン子本体が解散すると、さらにその傾向は強まった。
もともと「バイト感覚でオーディションを受けた」という新田は「作詞家になる」という名目で90年に芸能界を引退している。
だが、作詞家らしい活動はほとんどすることがなく、数年のブランクを経て、90年代中頃に表舞台に復帰した。以後は、マイペースな芸能活動を継続。私生活では、96年に番組で知り合ったフジテレビ社員と結婚した。
それにしても、モーニング娘。やAKB48など、後の国民的アイドルグループと比較すると、おニャン子の活動期間は2年半と実に短い。新田の在籍期間に至っては1年半でしかない。
にもかかわらず、そのメンバーが再招集される機会のなんと多いことか。最近では、昨年夏の日本テレビ系音楽特番『THE MUSIC DAY』で実現している。
そして、新田恵利は毎回、そうした席に参加する。渡辺満里奈や工藤静香のように再結成の場にほとんど顔を出さない元おニャン子もいるなかで、彼女は、当時のファンには嬉しい発言をしている。
「一生、おニャン子を背負ってやるという覚悟を決めました」。
やはり、新田恵利こそ、永遠のおニャン子クラブの顔なのである。
*1=おニャン子は明確なセンターを置いていなかったが、新田恵利は随時目立つポジションに配置された。
*2=年末年始は集計を2週合算するため。記録上は3週連続1位。
※画像は新田恵利のデビューシングル『冬のオペラグラス』より
80年代アイドル美女黄金白書
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