平成アイドル水滸伝~宮沢りえから欅坂46まで~
第11回 上戸彩と乃木坂46の巻~学校と平成女性アイドル【前編】
●学園から学校へ
アイドルと言えば学園ドラマ。そんなイメージを持っているひともいるはずだ。確かに女性アイドルに限っても、学園ドラマは数多くの人気者を生んできた。
1970年代前半には、学園ラブコメの名作『おくさまは18歳』(TBSテレビ系)への主演で大ブレークした岡崎友紀、そして彼女と同学年の吉沢京子が人気の双璧だった。岡崎が「ボーイッシュ」で吉沢が「清楚」というキャラクターの好対照もあり、二人は良きライバル関係にあった。1970年代後半から1980年代前半では、中村雅俊が主演した一連の学園ドラマでコミカルな持ち味を生かして人気を得た藤谷美和子も思い出される。平成になったいまも、学園ドラマとなれば誰が生徒役に起用されるかに注目が集まるのは変わらない。
ところで、ちょっと細かいことにこだわるようだが、学校を舞台にしたドラマはなぜ「学園ドラマ」と呼ばれ、「学校ドラマ」とは呼ばれないのだろうか?
それはきっと学園ドラマが現実離れしたユートピアを描くものだからだ。学園ドラマでも生徒の悩みや、学校が抱える問題は描かれる。しかしそれもたいていの場合、熱血教師やヒーロー的な生徒が情熱と行動力であれよあれよと言う間になんとかしてしまう。もちろんだからこそ「こんなにうまくいくはずないよ」と思いつつ、見ている私たちはスカッとするのだ。