■日本人って最後は日本
――松下さんのモノローグで「海外に行くと改めて自分の国のことを知る」というのがありましたが、具体的に言うと?
松下(アメリカに)行っていたときは、みんなポジティブで、ネガティブなことを言う人がいなくて、良いなあって思っていたんです。
――ほほう、それに比べて日本人は……。
松下 日本人って自分をもうちょっと深く見つめ直して、わざわざ落ち込ませて、そこから何かを生み出すというような真面目さがあるんだなって思いましたね。
――なるほど〜。
松下 でも、そう思えるのは撮影から1年たった最近のことなんですけど(笑)。
榊原 でもね、私も長いこと向こうに住んでいたけど、日本人って最後は日本なんですね。
――へぇ〜、そういうものなんですか。
榊原 やっぱり、日本人って日本が好きだと思うのよね。アメリカにいる人ってみんな、移民して来て国を捨ててきているわけですよね。だから、アメリカ万歳、ここで死ぬんだ……みたいだけど、日本人はやっぱり最後は日本に帰るんですよ。なんだかんだ、日本の悪口を言っていても。
■独身女性はもちろん、独身男性にも
――なるほど。松下さんは、この映画をどういう人に観てもらいたいですか?。
松下 独身女性はもちろんですが、映画祭で観てくださった独身男性の方からも「勇気をもらいました」という感想をいただいたので、独身男性にも良いのかな。
榊原(独身者の)親御さんにも観てほしいよね。
松下 親は観ると、どういう気持ちになるの?
榊原 本人の好きにさせようかって。私はね、10代の頃より計画性を持って、人生を損しないようにっていう生き方はつまらないと思うの。落とし穴があったりしたほうが(人生の)深みを増すし、バネにもなるし。……って負け惜しみを言いますけど(笑)。