そのブームの顔といえたのが、今も現役選手である“カズ”こと三浦知良である。当時の強豪チーム・ヴェルディ川崎に属していたカズは、Jリーグ開幕年に、元JALのキャンペーンガールで女優・モデルの設楽りさ子と結婚している。

 といっても、カズが設楽にアタックを開始したのはJリーグ開幕以前のブラジルでプレーしている時代。彼女の水着グラビアを見て一目も惚れ。ブラジルの自室には彼女のポスターを貼っていたという。いわば、アイドルファンのような行動をしていたのだ。

 しかし、そこからが違った。彼女が在学中の大学を知ると、その伝手をたどって本人にアプローチすることに成功。以後、見事な決定力を見せ、ゴールを決めるのである。

 まだバブルの余韻が残る時代背景もあったのだろう。当時は盛り場での夜の活動をテレビなどで得意げに語るJリーガーもいた。サッカー界と芸能界との交遊録も広がったようだ。

 96年には、“ゴン”こと中山雅史(ジュビロ磐田)が、当時、多くのテレビドラマに出演していた若手女優・生田智子と結婚している。

 なお、カズやゴンと同じ、“ドーハ組”のなかには他にもモデルと結婚した選手が複数いる。設楽りさ子にしてもそうなのだが、以後もなぜかサッカー選手は、時代ごとに人気のモデル系タレントと結婚する系譜がある。

03年/柳沢敦(鹿島アントラーズ)と小畑由香里
08年/鈴木啓太(浦和レッズ)と畑野ひろ子
12年/稲本潤一(川崎フロンターレ)と田中美保
16年/長谷部誠(フランクフルト)と佐藤ありさ

 アイドルファンには馴染みの薄い名前もあるが、いずれも女性ファッション誌の世界では名のある面々である。

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