■ワインに勝る点は?
さしもの「健康飲料」も前出のポリフェノールの宝庫とされるワインには勝てなかったわけだが、少し視点を変えて、“適量”も踏まえて考えてみるとしよう。1日の適量は男性でアルコール約20グラム程度。ビール(アルコール5%の場合)で言うとロング缶1本分。ワインだと、グラス2杯弱。ワインの場合、ついついボトル単位で飲みがちだが、その点、ビールなら1缶=適量ですませやすいので、結果的にビールに軍配が上がるとも言える。
ただし、ビールの効能は麦芽とホップによるもの。一般のビールの原料は主にこの2種類のみだが、発泡酒や第3のビールになると、副材料の大麦・コーンなどの他、甘味料・着色料・酸味料・香料などの食品添加物などが加わる。また、例の糖類の問題もある。
前出の岡田氏は、「甘味料などの添加物や糖類は微量なので、無視して差し支えありません。また、糖質ゼロのビールにこだわる必要もありません。逆に糖質を十分に摂らないと脂肪が燃焼しないからです」と言うが、課題は残る。「安いビールは有効成分(麦芽とホップ)が少なく、その分、アルコールが多くなります」(前同)
だが、特に安い第3のビールは一般のビールの半分の値段。庶民にとって心強い味方だ。有効成分は少ないものの、「健康飲料」のビールを毎日飲み続けるには、やはり安いビールは欠かせない。こんな朗報もある。
「税率はビール77円、発泡酒47円、第3のビール28円(いずれも350ミリリットル缶あたり)となっていますが、政府は2026年10月にビールを減税。逆に、それ以外を増税して、55円付近でそろえる方針です。これで一般のビールが安く飲めますよ」(酒類問屋社長)
今年の夏は、ビールを楽しみ「人生100年時代」に備えたい!!