●ビジネスにおいて一度も負けたことがない

 全盛期は番組1本で300万円から500万円のギャラを稼ぎ、その資金を不動産や飲食店ビジネスに投資し、“芸能界の不動産王”と呼ばれていた。

「00年の朝日新聞のインタビューで、“休みの日に裁判所に競売物件を調べに行くタレントはなかなかいませんよ”と話していたように、素人には手が出しづらい競売物件を安く入手するプロ顔負けの裏技を使って、“新地の駅前は紳助のもの”と言われるほど、不動産を買いあさっていました。その多くは現金一括払い。しかも立て続けに購入するほど潤沢な資金がありました」(経済誌記者)

「僕はビジネスにおいて一度も負けたことがない」と公言していたが、その秘密は、「勝てない勝負はしない」という徹底した勝負哲学にあったようだ。

「その原点は、やはりお笑いにあったのでは。自分が面白いと思った漫才師のネタを書き起こし、他とどう違うかを徹底分析し、1分間の間の数、オチのパターンを分析して、と自分なりの“勝てる漫才”の教科書を、コンビを組む前に作り上げた。その教科書通りのネタをやるために選んだのが、松本竜介という相方だったんです」(関西在住のお笑い番組関係者)

■酒の豪快伝説

 酒の豪快伝説なら、やしきたかじん(享年64)が一番だろう。

「本拠地にしていた北新地では、クラブに入り、“ヘネシーのボトルある?”と注文するや、“じゃあ、勘定して”と水割りを1杯飲んで、“また来るわ”と次の店へと、1店あたり10分程度で、何軒もハシゴ。“一晩で24軒が最高や”と言っていました。座ってウン万円という高級店ばかりですから、一晩で300〜400万円を使うのはザラ。ボッタクリの店にあえて入り、ビール2本で5万円を請求されると、“暴力バーなら10万は取らんかい! なっさけない店やな!”と10万円叩きつけて出てきたという逸話も有名です」(放送作家)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4