■トヨタ車は太もも美人

――8月に出たクレイジーケンバンドのアルバム『PACIFIC』にも「車と女」という曲があります。

横山「もう、何をいまさら、って感じですね。やっぱり切り離せないところがありますよね。そこでも歌ってますけど、僕、女性の扱いと車の運転、どっちも下手っていわれたことがありまして……これはショックですね。傷つきますね、うん……」

――自動車メーカーを、それぞれたとえるとしたら?

横山「わりと60年代、70年代のトヨタ車は流線型ですよね。トヨタ2000GT、S800、セリカ1600GT……太もも美人というか、片山由美子さんのような。プレイガールで、日本のブリジット・バルドーですよね。そんな肉感的なイメージ。

 日産はもう、本当にものすごい直線的なシェイプが多かった。四角いっちゅう感じ。日産は侍。男ですね、短髪の。実際、トヨタのドライバーはわりと長髪でソース顔が多かったんですが、日産はドライバーも短髪で侍でした。

 いすゞは浅岡重輝さんとか、米村太刀夫さん、ミッキー・カーチスさんと、育ちの良さを感じられるドライバーが多かったですね」

――レーサーの皆さんに憧れていたわけですが、人間の魅力は、何に由来すると思われますか。

■堺正章や近藤真彦と一緒に

横山「僕が好きな人は、勝新太郎さんとか夏木陽介さんとか、チャーミングなおじさんです。なりたいと思いますね。堺正章さんもすごくチャーミングで。もう、ギャップがないんですね。

 堺さんには2011年に、クラシックカーのラリー『ラフェスタ アウトゥーノ』に誘っていただいて。出るしかない、と思っていたときに出会ったのがオースティン・ヒーリー100-4という車。衝動買いしてしまって……。レースは明治神宮から軽井沢、越後湯沢、箱根、葉山、横浜をめぐる3泊4日の日程で、堺さん、ジローラモさん、近藤真彦さん、鈴木亜久里さん、といった方々とご一緒しました。

 堺さんは、鹿児島まで一緒に車を探しに行ってくれたんです。2人で飛行機乗って一緒に探しましょうって。一人でチケットを買ったりとか絶対にしないタイプだと思うんですけど。そのときは事務所にも頼らず、全部、自力でやっていただいて。あの恩は一生返せないですね。納車のとき、エンジン不調だったんですが、業者さんに“コレじゃ剣さん乗るのにかわいそうです”って言ってくれて。助かりましたね」

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