■バルイーグルの相手は悪の王女を演じた美女

 最後は『スーパー戦隊シリーズ』について。こちらは3大シリーズのなかでスタートがもっとも遅いが、初期の一時期を除き、毎年、途切れず新作が制作されているため、作品数はもっとも多い。また、ヒーロー役の男性出演者はミニマムで3名、途中からメンバーに加わる通称“追加戦士”などもいるので4名、5名が当たり前。したがって、その分、事例も多い。

 第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)のアカレンジャー(海城剛)役の誠直也の結婚相手は、特撮番組『ザ・カゲスター』(76年)で、当時としては珍しい特撮ヒロイン・ベルスター(風村鈴子)を演じていた早川絵美という女優だ。『~ゴレンジャー』と『~カゲスター』は同じスタジオで撮影されていた。

 シリーズ第2作『ジャカー電撃隊』(77年)で、主人公のスペードエース(桜井五郎)を演じたのは丹波義隆(丹波哲郎の長男)だ。丹波は32歳だった88年に、映画『おれは男だ! 「完結編」』(87年)のヒロイン役でデビューしたばかりの当時21歳の若手女優・田中久美(同名の80年代アイドルとは別人)と結婚している。

 のちにミュージカル俳優として評価を得て、声優転向後も第一線で活躍することになる内田直哉は、第3作『電子戦隊デンジマン』(80年)でデンジグリーン(緑川達也)を演じている。プライベートでは、2001年の「ミス・ユニバース・ジャパン」に選ばれた荒内美沙緒という女性とゴールイン。年の差はなんと29歳だった。

 第5作『太陽戦隊サンバルカン』(81)は、唯一の最後までメンバーが3名で、女性のメンバーがゼロだった作品だ。また、バルイーグル役の俳優が途中でチェンジしたという珍しい展開もあった。二代目バルイーグルとして途中参加した五代高之は、その後、同じ「スーパー戦隊シリーズ」の第7作『科学戦隊ダイナマン』(83年)に「ジャシンカ帝国の王女キメラ」役で出演していた女優・香野麻里と結婚している。なお、悪の王女を演じたといっても、香野は昼ドラに主演歴もある美人女優である。

 西村和彦は、ほとんど実績ない状態で第12作『超獣戦隊ライブマン』(88年)で、イエローライオン(大原丈)を演じ、その後、人気俳優となった。最初に結婚したのは96年で、相手は『七人の女弁護士』(テレビ朝日系)などに出ていた立原麻衣という女優だ〈*〉。

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