■胸部X線検査やバリウムも

 さらには、驚くべきことに、受ければ「カラダに悪い」とさえ思われる検査もあるそうだ。その筆頭に挙げられるのが、胸部X線検査だ。

「よほど経験を積んだ専門医でない限り、早期の肺がんなど見つけることは至難の技。また、間接撮影(レントゲン写真を撮られる検査)は、放射線の被曝が多いという問題もある。このため、米国では間接撮影装置の使用はとっくに止めています」(同)

 また同様に、胃のX線(バリウム)検査もリスクが大きいという。まず、検査時に飲むバリウム自体に、副作用リスクがあるのに加え、「胃のX線検査は、放射線の被曝量が胸部の6倍以上とされています」(同)

 健診に、このような“落とし穴”があると知れば、もう受けたくないと感じる人もいるだろう。

 だが、冒頭で述べたように法律で義務づけられた健診もあり、従業員が拒否することもできない。

「拒否したことを理由に教員が減給処分となり、最高裁まで争った事例がありますが、教員の負けでした。ただ、要検査の結果を職場に報告することまでは義務づけられていません。過剰治療が心配ならば、再検査を受けないという選択肢はあります」(前出の岡田氏)

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