■築1年以内の新築マンションは危ない

 住んでいる家の危険度についての判断は、防災面のみならず、防犯面にも留意したいところだ。 最近では、親族を騙って資産状況を聞き出してから押し入る「アポ電強盗」なども横行。手口は巧妙で荒っぽくなり、強盗犯に殺害される危険性も増している。

「古いマンションの中には、1階のバルコニーなどへ簡単に出入りできる造りになっている建物もあります。これは要注意です」(同)

 一方、セキュリティがしっかりしている新築マンションにも落とし穴があるという。意外なことに、中でも危ないのが築1年以内の新築マンションだ。というのも、新築物件は新興住宅街に立地するケースが多く、建築中の建物が密集している場合もある。当然、工事業者らの出入りも激しく、強盗犯がウロウロしていても怪しまれないからだという。

 しかし、死を招く危険因子は建物の立地や構造などばかりではない。家の中のちょっとしたところにも、危険が潜んでいるのだ。たとえば、火災の原因として、タコ足配線やコンセントのほこり、電気コードを折り曲げて使うことによってコードが断線、スパークが発生し、火災の原因になることがあるという。

 家具も、いつ凶器と化すか分からない。阪神大震災を経験した男性(61)は、「突き上げるような揺れが起き、家具がまるで生き物のように飛びかかってきた」という恐怖体験を語っている。

 さらに危ないのが段差だ。家の中には、玄関の他、廊下とリビング、和室と廊下の間など、至る所に段差がある。それに気づかず転倒して骨折するだけならまだしも、骨折がもとで不慮の死を遂げるケースが意外に多いのだ。前述した「人口動態統計」で、家の中で不慮の死を遂げた理由として最も多いのが転倒事故など。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4