■南沙織、小柳ルミ子、天地真理も特筆

 その後、登場したいくつかの三人娘の中で、まず、特筆すべきなのが南沙織、小柳ルミ子、天地真理だ。なぜなら、彼女たちは“アイドル”の礎を築いた存在なのである。

「もともと“アイドル”という言葉は、プロデューサーの酒井政利氏が71年(昭和46年)に南沙織を手掛ける際のコンセプトとして用いた言葉。つまり、彼女こそがアイドル第1号なんです」(レコード会社社員)

 そして、同期デビューの小柳ルミ子、天地真理とともに、新たな「三人娘」と称されることに(後年、便宜上「新三人娘」に)。

「南は、写真1枚でスカウトされた天然素材。ルミ子は、歌手になるために宝塚音楽学校に入り、首席で卒業した努力家。天地は、音楽高校に通い、ピアノや声楽を習ったエリート。経歴は三者三様でした」(芸能記者)

 キャラクターも違った。「ルミ子は、しっとり歌い上げる清純派。天地は、ヒラヒラの衣装で歌う典型的なアイドルの元祖です」(前同)

 南には、ニューミュージックの色があった。「彼女は、荒井由実(当時)の作詞曲を歌ったり、矢沢永吉に『五大洋光』なるペンネームで曲を提供されています。山口百恵が宇崎竜童、さだまさし谷村新司の、桜田淳子が中島みゆきの曲を歌う流れの源流は、そこにあるんです」(同)

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