■フルマラソンのトレーニング法

 また、本格的にフルマラソンを目指したいという人は、谷川氏が推奨するトレーニング法を参考にしたい。「歩きと小走りの練習を重ね、30分間歩かずに走れるようになったら、10キロ走れますよ。4か月くらいで可能ですかね」こうなれば、10キロレースに挑戦したいところ。「土・日は1時間半の練習、平日朝、夕に短時間でも時間を作って、週3日間走れると理想ですね」(前同)

 10キロ走をクリアできたら、次はハーフマラソンだ。「1時間休みなく走れるようになれば、ハーフで3時間、時速7キロ走が可能になってきます」(同)

 そうなると、夢のフルマラソンまであと一歩!「フルを現実的に目指すなら、練習は頑張って1日10キロ、月間120キロ。土・日しか走れない人は日常的にスクワットなどの筋トレを。なぜかというと、フルは30キロ以降、筋力不足で足が動かなくなるんです。筋トレだけでも変わります」(同)

 さらに本番に向けてリハーサルをしておくと安心だ。「フルマラソン参加前に4回くらい、長距離走を練習しておきましょう。できれば、本番2か月前までに、ハーフマラソン大会に出てみる。開始時間がフル本番と同じものを選んで、シミュレーションしましょう。そして、3週間前までに20キロ走。2週間前だと疲れが残るので、3週間前というのがポイントです。たまに、フルマラソン出場前に、不安になって42キロを練習で走る人がいますが、絶対にやらないでください。それだけで体に負担がかかります。体力は本番まで温存しましょう」(同)

 最後に、谷川氏がマラソンの魅力を、こう語る。「走ることで、職場と家だけでなく、違う世界が広がります。私も市民マラソンに出合って、いろいろな人たちと出会いました。大会での景色、食、空気、におい……五感でさまざまなことを感じ、人生の充実感がより増したと思います。 自分にも完走できたという達成感。それが自信につながる。ぜひ、新しい自分に出会ってほしいです!」

 オリンピックイヤーの今年こそ、42.195キロの夢に一歩、踏みだそう。

谷川真理(マラソンランナー・タレント)1962年10月27日、福岡県生まれ。OLをしていた24歳からマラソンを始める。市民マラソンでの優勝をきっかけに90年に資生堂に入社し、実業団入り。91年、東京国際女子マラソンで初優勝。1994年、パリマラソンでは当時、大会新記録で優勝。現在は解説者、タレントとして活躍しながら、ランナーとしても数々の大会に出場している。

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