■不倫に発展することも

 関東地方では、埼玉県に人気店が集中している。「古い施設や経営難のスーパー銭湯を買い取るなどして、新たなレジャー施設として復活させる『温泉道場』という会社は勢いがありますね。彼らが手がけるのは、風呂以外の休憩スペースがとにかく充実している『おふろcafe utatane』(埼玉県他)など。メディアへの露出も多く、ハンモックやカップル向けのソファが設置された休憩スペースは、いつも若者たちで賑わっています」(経営コンサルタント)

 他にも、前出の喜盛の湯と同じ会社が運営する「竜泉寺の湯 草加谷塚店」も若い女性の間で人気で、埼玉はスーパー銭湯激戦区と言っても過言ではない。

 そうしたトレンド店で大胆な楽しみ方を見い出すのが、県内在住の佳子さん(45・仮名・既婚)だ。「スーパー銭湯って、ほぼ24時間営業じゃないですか。だから、夫が会社に行き、子どもが学校に行っている平日昼すぎから夕方まで、不倫相手を探すときに利用しています。心身ポカポカで、少しお酒も飲んで、お話相手を探すんです」

 不倫妻の“禁断遊び”に、一度、遭遇したいものだ。

 秘湯の趣きがある山梨県山梨市の「ほったらかし温泉」は、バイカーから女子旅、そしてファミリー層まで、全国の観光客が集まる屈指の人気スポットだ。「露天風呂が山頂にあるので、とにかく眺望が素晴らしい。昼間は澄み切った青空に富士山が映え、夜は頭上に星空、そして眼下に甲府盆地の夜景がきらめきます。湯は適度なぬる湯なので、大げさではなく一日中入っていられますね」(トラベル誌編集者)

 休憩室は屋内と野外ベンチがあるが、「オススメは野外です」と、トラベル誌編集者が続ける。「絶景露天風呂で心身が開放的になっているのか、隣に座る女性観光客に話しかけると、気さくに応じてくれるんです。“このベンチも絶景ですね。どちらから来たんですか? ここはよく来るんですか?”なんて会話をして、秘湯巡りが趣味だという女性と連絡先を交換したことがあります」

 出会いの場としても機能しているようだ。

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