どうしようもなく過ぎ去ってしまうゆえに輝かしさを増すわずかな刹那を、湯浅はリップシンクやダンスショットを用いない全編ドラマのMVのとして構成した。また、前作シングルで初めてセンターポジションを経験した西野が、ドラマを牽引する者としての存在感を見せ始める萌芽を見て取ることもできる。

「無口なライオン」MVで描かれた別れのドラマには、程なくして続編が用意される。その続編制作の場は、他ならぬ個人PVだった。

 湯浅は続く10枚目シングル『何度目の青空か?』で、西野の個人PV「天体望遠鏡」の監督を担当する。ここで湯浅が描くのは、「無口なライオン」で転校を余儀なくされた西野が、転入先の高校で上級生として頼もしく立ち振る舞う姿である。

https://www.youtube.com/watch?v=HY7FDTMuaPk

(※西野七瀬個人PV「天体望遠鏡」予告編)

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