■DeNAや阪神タイガースは?

 続いて、巨人と首位争いを演じたDeNA。「主砲のソト(31)は、やや調整に不安を残していますが、今季も期待大です。2年連続本塁打王はダテではなく、左右に広角に打ち分けられるうえ、とにかく球がよく飛ぶ。チーム最多安打(139安打)もソトでした」(DeNA番記者)

 意外や“怪物”ソトの実力を最初に見抜いたのは、巨人の岡本だった。「岡本は16年のオフにプエルトリコのウインターリーグに修業に行ったんですが、そこでソトを見たんです。そのパワーに圧倒されて、帰国後、球団に“すごい選手がいる”と報告したんですが、巨人は調査に動かずDeNAが獲得した。ベネズエラ出身のラミレス監督の“中南米ネットワーク”は球界随一。DeNAが助っ人獲得で失敗しないのは、ラミレス効果なんですよ」(前同)

 ただ、ラミレス監督による弊害もあるという。「ソトのポジションを固定すれば、50本打つかもしれないのに、あれこれ変えてくる。コーチ陣も、ラミレス采配には首をかしげていますね」(同)

 オープン戦で4ホーマーを放った“新助っ人”オースティン(29)にも期待がかかる。

 続いて阪神。地元紙が“バースの再来”と触れ込んでいるボーア(32)に期待がかかるが……。「メジャー通算92本。確かに大きいのも打てるが、それほどの選手でしょうか。それより、2年目のマルテ(29)のほうが期待できる。昨季の長打率は4割台。出塁率も.381と健闘。日本の野球に慣れたので、ホームランも12本から倍増するかも」(虎番記者)

 広島は、日本代表の4番も務める鈴木誠也(25)の打棒が光る。「穴がないスラッガーですね。昨季は首位打者に輝きましたが、本塁打は30本に届かなかった。ただ、今季は肉体改造にも取り組んだようで、パワーアップに成功しました」(広島番記者)

 鈴木をめぐっては、スコアラーの間で興味深い噂がある。いわく、「あいつはヤマを張って打つタイプなんじゃないか」。「思い切りよくスイングする反面、簡単にさばけそうな甘い球を見逃すことがよくある。高校時代は投手だったし、“読み”で狙い球を決めて打っているのでは」(前出のスコアラー)

 1965年に三冠王に輝いた野村克也氏(故人)は、「読みを絞り、ヤマを張って打っていた」と告白している。鈴木も同じタイプなのかもしれない。

 続く中日には、残念ながら本塁打王を取れそうな選手は見当たらない。4番のビシエド(31)は、アベレージヒッターなのでホームラン王候補ではないだろう。

 一方、ヤクルトには期待の新星が現れた。「首脳陣は、昨季36本塁打を放ち、覚醒した3年目の村上宗隆(20)に期待しています。村上には、バレンティンが移籍したこともプラス。遊び人のバレは、しょっちゅう村上を“夜遊び”に誘っていましたからね。“悪い先輩”がいなくなって、野球に専念できるでしょう」(ヤクルト番記者)

 “トリプルスリー”こと山田哲人(27)にも本塁打王のチャンスがあるが、「高津臣吾監督は、山田にはチャンスメイクを期待している」(前同)ため、全打席ホームラン狙いというわけにはいかないだろう。

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