乃木坂46堀未央奈の画像
※堀未央奈/画像は本サイトの記事(https://taishu.jp/articles/-/60805)より抜粋

乃木坂46「個人PVという実験場」

第6回 乃木坂46の映像作品に『可笑しみ』をもたらした山岸聖太 1/5

堀未央奈の演者としての特異性が露わに

 先月(/articles/-/72361)、先々月(/articles/-/72361)の記事でクローズアップした湯浅弘章や柳沢翔といった監督がそうであったように、乃木坂46の個人PVはのちにグループのMVを監督する映像作家を開拓する機会をしばしば生み出している。

 そのなかで、湯浅や柳沢と同じくドラマ型の作品を得意としつつ、オフビートな可笑しみを独特の持ち味にして多様なスケールの映像を生み出しているのが山岸聖太である。

 2013年から乃木坂46の個人PVで監督を経験している山岸だが、彼のカラーが際立って発揮されたのが2014年、乃木坂46の10枚目シングル『何度目の青空か?』に収録された個人PV『ゆるす!』だった。

https://www.youtube.com/watch?v=w8MFxVNkeME
(※堀未央奈個人PV『ゆるす!』予告編)

 この作品で山岸の作風を引き立たせる役割を果たしたのが、主演を務めた堀未央奈である。アルバイトの面接で噛み合わないやりとりを続けるうちに、堀のペースに取り込まれた店長が促されるままになぜか路上で全力疾走することになるこの怪作には、演者としての彼女の特異性がすでに明確に現れている。

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