■スペインかぜは第2波で変異……?

 5月16日には、WHO(世界保健機関)のヨーロッパ地域事務局のハンス・クルーゲ局長は、「新型コロナウイルスの感染拡大の第2波に備え、引き締めを図るべきだ」と指摘。また、ドイツ、フランス、イギリスなどで段階的に外出制限措置の緩和が始まっていることについて「祝福の時間ではなく準備のための時間だ」「この秋には新型コロナウイルスの第2波と季節性インフルエンザやはしかの流行が同時に襲ってくることを危惧している」と警鐘を鳴らした。

 5月17日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)では、第2波の感染拡大が懸念されていることについて触れ、第2波、第3波と、何度も押し寄せる感染拡大の深刻さを100年前の人類も経験していると伝えた。

「第一次大戦中の1918年春、アメリカから始まったとされるインフルエンザ、いわゆる“スペインかぜ”が世界中で大流行しました。スペインかぜは同年春から夏にかけて欧米を中心に広がりましたが、夏場にはいったん落ち着きをみせるんです。ただ、秋に入るとともに再び欧米を中心に爆発的に感染が拡大。

 また、スペインかぜの第2波の致死率は、第1波の4倍以上に跳ね上がったといいます。その理由として考えられるのが、ウイルスが変異したことによって高い病原性を獲得してしまったから。当時とは医療のレベルがまったく違うので、スペインかぜのようなことにはならないでしょうが、ただ新型コロナウイルスも夏場にいったん小康状態になり、秋に再び猛威を振るうのではないかと警戒されているとともに、より深刻さを増すのではないかと危惧されているんです」(前出の夕刊紙記者)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4