■ニンジンやホウレンソウなどの緑黄色野菜

 では、さっそくビタミンAから見ていこう。「ビタミンAは粘膜の働きを強化する作用があります。簡単にいえば、侵入してきたウイルスは鼻や喉の強い粘膜でしっかりガードできるということです」(同)

 ビタミンAを多く含む食材は鶏や豚のレバーや卵、植物ではニンジンやホウレンソウなどの緑黄色野菜である。田村氏オススメのビタミンA強化メニューは、きんぴらゴボウだ。「ニンジンのビタミンAは、ごま油をちょっと垂らすことでパワーアップします。また、食物繊維が豊富なゴボウは免疫力と密接につながる腸の働きを良くします。ビタミンAが効率的に吸収され、腸からも免疫力強化のサポートがある。しかも、きんぴらはおかずにも酒のつまみにもなる、お父サンの好物メニューです(笑)」

 グラム当たりのビタミンA含有量が豚や牛より多い鶏レバーは、値段が安いのも魅力。直火でただ焼いてもおいしいが、もっと強力な“ウイルス撃退レシピ”がある。フライパンにラードを入れて、鶏レバー、ニンジン、ホウレンソウ、キャベツなどを焼く。食材に火が通ったら、ショウガ、ニンニク、タマネギにみりん、醤油、ダシ汁を混ぜたタレにつけて食べる。レバー、ニンジンに含まれるビタミンAとニンニク、ショウガなどの免疫力アップ食材のW効果が期待できる一品だ。

 スーパーで人気の野菜となっているモロヘイヤも、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンがふんだんに含まれ、食物繊維やカルシウムなどのミネラル分も多い。あのネバネバ感が苦手な人もいるが、料理研究家のオガワチエコ氏は、「豚しゃぶのタレに使うと実においしい」と言う。そして続ける。「モロヘイヤはゆでて細かく切り、好みのドレッシングに合わせて肉にかけます。お肉に、あのネバネバがしっとり絡み、肉のおいしさが引き立ちます」

 モロヘイヤのネバネバには、健胃整腸作用もあるので、ぜひ試してもらいたい一品だ。

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