■味噌仕立てゴーヤチャンプル

 ビタミンCはマクロファージなどの免疫細胞の働きを強化し、活動的にさせる働きがある。酸っぱい野菜や果物に多く含まれるが、欠点は、その多くが火を通すと壊れてしまうことだ。「ビタミンCを効率的に食べる基本は、新鮮なうちに生で食べることです。最も簡単なのは、食卓にレモンの輪切りを置いておくことでしょうね。メインとなる肉や魚にサッと振りかけると、レモンの酸味や香りで食も進みます」(前出の田村氏)

 最近はスーパーで、冷凍レモンの輪切りも安く売っている。こうしたものを利用すると手軽だ。

 これからの季節が旬となるゴーヤ(にがうり)も、ビタミンCがたっぷり含まれている。しかも熱に強く、火を通しても損なわれないという特徴もある。新宿で琉球料理店を営む沖縄出身のKさんに、味噌仕立てゴーヤチャンプルの作り方を教えてもらった。「ゴーヤはお湯でサッとゆでてフライパンに入れ、豚肉、ナス、タマネギなどと一緒に炒めます。火が通ったところで豆腐を入れてグズグズにして、酒、砂糖、唐辛子を少々。最後にダシと混ぜた味噌を入れます。酒のつまみにもなる、うちの一番人気メニューです」

 サラダ食材として女性に人気のアボカドもビタミンCがたっぷり入っているが、男性は「あのネットリ感がどうも……」と敬遠する人も多い。「アボカドはワサビと実に相性がいいんです。細かく切ってワサビとすりごま、塩を少々加えて、ざるソバにかけて食べると、栄養バランスがいい夏メニューになります」(田村氏)

 しかも、アボカドにはビタミンEも多い。「ビタミンCはビタミンEの働き(抗酸化作用)を助ける作用があります。これが一緒にとれるアボカドは健康効果も高い食材と言えます」(前同)

 ビタミンEは、体の酸化(老化)を抑える若返りのビタミンとして知られるが、体内に侵入する細菌やウイルスを撃退する免疫力を上げる働きもある。Eを多く含む食材は、ウナギやイカなどの魚類やアーモンドやピーナツ(落花生)などの木の実だ。「殻つき落花生は塩ゆでにしてもおいしいんですが、細かく砕いてカレーなどに入れると、特有の香りやほんのりした甘みが加わり、よりおいしくなります」(前出のオガワ氏)

 ピーナツを砕くときは、布の袋に入れて麺棒で叩けば、わりと簡単に砕ける。「ピーナツの替わりにアーモンドなど他の木の実も砕いて料理に入れると、思わぬ味のバラエティが楽しめますよ」(前同)

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