■ドライブレコーダーが大きな争点に
弁護団が特に力を入れて語っていたのが、ドライブレコーダーの存在だ。石元服役囚は事件現場に向かう際と帰宅の際、2度タクシーを使用していた。この「事件現場へ向かう様子」は、時系列で監視カメラのデータもあったのに対して、現場から帰宅する際の映像は裁判で提出されなかった。
石元服役囚は帰りのタクシー内で仲間が事件を起こしたことを電話で知り、ひどく狼狽したという。「現場にも行ってないし、事件にも関係していない」「関わらないでよかった」という旨の会話をしており、このやり取りは、石元服役囚が事件を想定していなかったことを裏付ける証拠となる。
しかし、一連のやり取りを録画・録音したドライブレコーダーが、裁判では提出されなかったのだ。
警察はドライブレコーダーを押収したものの、いくら請求しても、裁判の証拠として提出されなかったという。弁護団は再度、提出を要求するとともに、当時の状況を知る人物や、石元服役囚が乗車したタクシーについて懸賞金も検討したうえで、情報を求めるという方針を明らかにした。