■伊藤アナ投入は坂上をコントロールするため?

「伊藤アナは『とくダネ!』(フジテレビ系)でサブMCを務め、MCの小倉智昭さん(73)やコメンテーターの古市憲寿さん(35)の行き過ぎた発言を軽くいなすこともでき、バランス感覚に優れています。

 また、進行やアナウンス能力もフジテレビの男性アナウンサーではナンバーワンの評価。一方の榎並アナは、坂上さんの舎弟のような立ち位置で、坂上さんの番組での傍若無人な振る舞いや、行き過ぎた発言に立ち向かうことはできない状態にあります。

 フジテレビ上層部は坂上さんの発言やコメンテーターの安倍政権に批判的なコメントを“やりすぎ”、“バランスを欠いている”と問題視していました。10月からバラエティ班ではなく情報制作局が制作を担当することと、伊藤アナがMCに就任するのは、坂上を抑え込むため、と関係者の間ではもっぱらです」(前出の制作会社関係者)

■コロナへの対応を猛批判

 フジサンケイグループはこれまで保守的で政権寄りのスタンスを取ってきたとされる。ところが、坂上をはじめ、『バイキング』のコメンテーターらは安倍政治批判を積極的に展開している。

 民放キー局ディレクターは話す。

「坂上さん、そして『バイキング』については、フジテレビ上層部のみならず、安倍政権もマークしているというんです。

 出演者のうち、特に問題視しているのが、元宮崎県知事の東国原英夫氏(62)と、元経済産業省官僚の岸博幸氏(57)だといいます」(前同)

 5月15日の『バイキング』に出演した東国原氏は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が39県で正式解除された5月14日の安倍晋三首相の会見について「数字を示していただきたかった」と、解除に至った客観的根拠が示されていないことに疑問を呈し、「これくらいで、徐々に段階的に再開させてくださいということを説明しなきゃダメ」と政府の方針を糾弾した。

 また、新型コロナウイルス感染が日本でも拡大し始めた3月2日の放送に出演した岸氏は、「私は感染拡大は厚労省の人災の側面が大きいと思います」と、政府や担当省庁の初動対応を批判。

 さらに3月30日の放送では、3月28日の会見で安倍首相が「今の段階では緊急事態ではないが瀬戸際の状況」との認識を語り、緊急対策案について「現金給付」を検討していると表明。この会見を受け、岸氏は「日本より遅く感染が始まったアメリカはとっくに200兆円の経済対策が決定してるんです。日本は先に感染が始まったのに、まだ今の段階でこれだけのことしか言えねぇのかよと」と切り捨てた。

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