■「お祭り男」と呼ばれた選手たち

 さて、オールスター戦には、出場するたびに見せ場を作る「お祭り男」と呼ばれた選手たちがいる。「初代は16回出場でMVP3回獲得の山内一弘(大毎他)。広島にも所属した山内から、背番号『8』を受け継いだ山本浩二(広島)が、お祭り男の称号も継承しました」(球界関係者)

 そして、史上最多の「球宴通算14本塁打」をマークした山本の後を継いだのが、これも史上最多となる「通算MVP7回獲得」の清原和博(西武他)である。「高卒1年目となる86年の“初出場で初本塁打”や、年の剛球を左中間に叩き込んだ与田剛(中日)との勝負など、記憶に残る場面はたくさんありますね」(スポーツ紙デスク)

 中でも特筆すべきは87年。桑田真澄(巨人)との「KK球宴初対決」だろう。高校野球のスターだった桑田と清原。対決の舞台となったのは甲子園だった。「結果は、桑田のストレートを清原がホームラン。あのとき、捕手の山倉和博(巨人)は外角に構えていましたが、桑田の投げた球は内角高め。真っ向勝負を挑んだのは、間違いないでしょうね」(前同)

 軍配は清原に上がったが、2打席目はオールストレートで桑田が抑え込んだ。「試合後、桑田は“今日だけは小細工したくなかった”とコメント。清原は“いつかはやられますよ”と桑田を立てていましたが、2人の対決はいつも真剣勝負。だからこそ、引退までKK対決がファンをひきつけたのでしょうね」(同)

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