■『パラサイト』のポン監督、黒沢監督、濱口監督の”つながり”

「濱口監督は東京大学卒業後に就職し、その後、06年に東京芸術大学大学院映像研究科に入学。そこで、黒沢監督のゼミで師事しました。黒沢監督の濱口監督への評価は非常に高く、8月11日に『テアトル新宿』で行われたトークショーでは、当時濱口監督の修了作品『PASSION』を観て“監督が撮るために書いた脚本に僕自身何も言わなくなった。撮り方もわかっていて書いているのだから、脚本の段階で色々言うのはやめた”と、考えを改めた話をしています」(専門誌記者)

『寝ても覚めても』についても、

「僕がどうこう言うまでもなく『寝ても覚めても』は大騒ぎになる作品だと思う。先ほども『ハッピーアワー』で言ったような、気持ちのいいぐらいある種の生々しさと、フィクション、それを超えたファンタジーが奇跡のように融合した作品だと感じました。5時間越えの『ハッピーアワー』でやったことを見事2時間に集約している。奇跡的な映画です」

 と非常に高く評価しているのだ。

 濱口監督は海外での知名度も高く、近年では19年に外国語映画として初のアカデミー作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』が大ヒットした韓国のポン・ジュノ監督(50)が、英国映画協会が発行する『サイト&サウンド』誌で、“ポン監督が選ぶ2020年代の新進監督20人”に選ばれている。

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