https://www.youtube.com/watch?v=ZsjhxHOfHO0
(※梅澤美波個人PV「はじめての個人PVを見る日」予告編)

 フィギュアを話し相手にしたコマ撮りの映像で展開されるのは、「先日撮った梅澤の個人PVを梅澤自身がチェックする」という設定のやりとりである。そしてさらに、「“先日撮った梅澤の個人PVを梅澤自身がチェックする”という設定の映像を梅澤が観ながら感想を述べる」ところまでが、“個人PV”本体として仕立てられるという入れ子構造で、この作品は成立している。

 もちろん、乃木坂46が草創期から重ねてきた個人PVの歴史があってこそ、そして同一パッケージ内に1・2期生を含めたいくつもの個人PVが併録されているからこそ、この作品は初めて体裁をなす。その意味では、作品単体として独立するのではなくあくまで乃木坂46の映像作品群の文脈に依存する一作といえよう。

 ただしまた、デビューから5年をかけて、個人PVがグループを象徴する映像コンテンツに育っていたからこそ、乃木坂46メンバーになるオリエンテーションのひとつとして個人PVを位置づけるような企画性が可能になった。

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